山口県の地域ブランド商標である下関うにと北浦うには、平成19年(2007)3月2日、山口県うに協同組合によって、同日、地域団体商標に登録されました。
山口県のウニは、フグと並ぶ地域の名産品です。
中でも、生のうにを加工した瓶詰うにの生産は、国内産のすべての製品の4割に達しています。
山口県土産の定番ともなっている瓶詰うにはちょっとした偶然から生まれたと言われます。
山口県の下関うに、北浦うにとは
日本海、関門海峡、瀬戸内海という3方を違った海に囲まれた山口県は、豊富な海産資源に恵まれています。
中でも、フグと双璧をなすのがウニ。
山口県で獲れるウニは、バフンウニやキタムラサキウニなど、全国的に生息するウニと同じ種類ですが、とくに、山口県産のものは、荒い海で揉まれてたくましく育ち、また、餌となる海藻も豊富なため、味が濃くなると言われています。
山口県の中でも、日本海側の萩や長門などの北浦地区、関門海峡に面した下関でウニ漁がさかん。
生のものはもちろん、加工した保存用の瓶詰うにも名産品で、下関で加工されたものを「下関うに」、北浦地区で加工されたものを「北浦うに」としてブランド化を図っています。
山口県の下関うに、北浦うにの歴史
縄文時代から食べられていたウニ
遥か昔から日本人に食べられており、山口県下関市の潮待貝塚からは、縄文時代のものと思われるウニの化石が出土しています。
史実に残る最初の記録としては、757年に施行された『養老律令』のなかに「ガゼ」という名前でうにが登場します。
魚などのように干物にもできず、加工する方法がないため生で食べられていたウニですが、江戸時代に塩を加えて保存できる方法が開発され、「塩雲丹」として広く流通するようになります。
さらに、明治初期に画期的なウニの加工法が開発されます。
アルコール漬けです。
その発祥こそ、山口県なのです。
アルコール漬けされた粒ウニの誕生
山口県でウニをアルコール漬けにする製法が開発されたのは、まったくの偶然がきっかけでした。
明治初期、下野関沖に浮かぶ六連島(むつれじま)に六連灯台が建ったことで、多くの外国船が訪れるようになっていました。
そんな折、島唯一の寺・西教寺の和尚が、英国人の水先案内人との宴会の席で、誤ってウニの小鉢にジンをこぼしてしまいました。
酔いの興も手伝って、酒びたしになってしまったウニを食べてみると、アルコールでほどよくまろやかになってとてもおいしい。
純度の高い外国産のリキュールだったからこそ、生まれた偶然でした。
その後、和尚は、試行錯誤を重ね、塩ウニにアルコールを加えるとよりうまく出来ることに気づき、島内で塩雲丹を生産していた業者に製法を教えたことから、この地にアルコール漬けの粒ウニの生産が広まったということです。
当初は、木樽や陶器などに入れられていましたが、衛生的などからガラス瓶が使われるようになり品質が向上、やがて山口県の名産品として定着していきました。
参考:
山口県うに協同組合
「まるごと!やまぐち.net」(やまぐちの農林水産物需要拡大協議会 事務局)
下関市
山口県庁
「山口県産こだわりの逸品」(山口県観光振興課)
下関ブランド推進協議会
下関うにの商標登録情報
登録日 | 平成19年(2007)3月2日 |
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出願日 | 平成18年(2006)6月23日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)6月23日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)3月2日 |
出願種別 | 地域団体 |
商標 | 下関うに |
称呼 | シモノセキウニ |
権利者 | 山口県うに協同組合 |
区分数 | 1 |
第29分類 | 山口県下関市を加工地とする加工うに【類似群コード】32F01 |
北浦うにの商標登録情報
登録日 平成19年(2007)3月2日
出願日 平成18年(2006)6月23日
先願権発生日 平成18年(2006)6月23日
存続期間満了日 平成29年(2017)3月2日
商標 北浦うに
称呼 キタウラウニ
権利者 山口県うに協同組合
区分数 1
第29分類 山口県北浦地域を加工地とする加工うに【類似群コード】32F01