東京都の地域ブランド東京銀器は、平成20年2月15日、東京金銀器工業協同組合によって地域団体商標登録されました。
銀製品といえばヨーロッパというイメージがありますが、実は日本でも生産の歴史は古く、少なくとも延喜式(916年)には銀を素材とした銀器についての記録が残っています。
中でも東京都では、江戸と呼ばれていたころから、工芸的にも優れた製品がたくさん生産されていました。
目次
東京都の地域ブランド東京銀器とは
銀器製造はおもに江戸期に発達し、器物、置物、洋食器、仏具、身辺細貨など、日常生活で幅広く利用されて、現在でもほとんどが東京で作られています。
経済産業大臣により伝統的工芸品にも指定されています。
これによれば、東京銀器の特徴的な技法は以下の通りです。
- 成形は、金槌とアテ道具を使い、一枚の板状の素材を叩いて行う。
- 部分接合は、銀鑞付け(銀を溶かして接着剤として使い固着させる)が基本で、カシメ鋲止め(いわゆるリベット)などで行う。
- 加飾(飾りを加えること)は、金槌、またはタガネを用いる。
- 色仕上げは、煮込み法(薬液で煮込み、酸化皮膜をつくることで発色する方法)、金古美液(きんこびえき)、タンパン古美液を用いる。*古美液とは硫化剤のことで、銀表面に化学反応をこし、いわゆるいぶし銀と呼ばれる色をつくりだす。
また、東京銀器には純度1000分の925以上の銀が使われます。
東京の地域ブランド東京銀器の歴史
銀器の歴史は古く、少なくとも延喜式(916年)には、銀製の食器や酒器についての記録があります。
また、江戸時代の職人の仕事を描いた「人倫訓蒙図彙」(じんりんきんもうずい、1690年)にも、 銀器を作る銀師(しろがねし)の姿が描かれています。
とくに発展したのは、江戸時代で、かんざし、櫛、きせるなどに使われるようになったことです。
さらに、慶応三年(1867)にはパリ万国に江戸の銀師が作った銀食器が紹介され、その繊細な細工、美しい仕上がりが世界を驚かせました。
江戸で発達した銀器生産は、現代になって東京銀器として受け継がれています。
東京銀器の商標登録情報
登録日 | 平成20年(2008)2月15日 |
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出願日 | 平成18年(2006)10月13日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)10月13日 |
存続期間満了日 | 平成30年(2018)2月15日 |
商標 | 東京銀器 標準文字商標 |
称呼 | トーキョーギンキ |
権利者 | 東京金銀器工業協同組合 |
区分数 | 3 |
第8分類 | 東京産の銀製スプーン・フォーク及び洋食用ナイフ【類似群コード】13A01、19A05 |
第14分類 | 東京産の銀製キーホルダー,銀製食器類、銀製くるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,銀製ろうそく消し及びろうそく立て,銀製宝石箱,東京産の銀製花瓶及び水盤,銀製記念カップ,銀製記念たて,銀製身飾品,銀製コンパクト,銀製時計,銀製喫煙用具,銀製置物【類似群コード】13C02、19A03、19A05、19B27、20A01、20C01、20C02、20E01、21A02、21B01、21F01、23A01、27B01 |
第20分類 | 東京産の銀製家具,銀製葬祭用具,銀製額縁【類似群コード】20A01、20F01、26B01 |