大阪府の地域ブランド和泉木綿(いずみもめん)は、泉州織物工業協同組合、泉州織物構造改善工業組合によって地域団体商標に登録されています。
大阪府は現在でも、静岡県、愛知県、兵庫県と共に繊維産業が盛んな地域として四大産地にも数えられます。
和泉木綿はいかにして地域ブランドに成長したのでしょうか。
大阪府の地域ブランド和泉木綿とは
大阪府の西部地域がその昔、和泉国(またの名を泉州)と呼ばれていたころ、棉の栽培が盛んに行われていました。
毛足が長く良質な繊維がとれる和泉産の木綿は非常に評価が高く、重要な生産物として発達しました。
江戸時代には「和泉木綿」として名を知られるようになります。
糸にした綿毛をのり付けし、縦糸と横糸を交差させて織り上げ、染色加工し、縫製するのが和泉木綿の伝統の方法です。
平成24年に商標登録した和泉木綿のロゴ商標は、この製法をイメージしたデザインになっています。
また、染色については、1度に20~30枚を同時に染め上げる「注染(ちゅうせん)」という方法がとられています。
和泉国で発達した独自の手法で、生地に専用の型をあてて染料を注ぎこむことで多量の布を同時に染めても色むらなくきれいに仕上がります。
江戸時代に手ぬぐいや浴衣の生地として使われていましたが、近代では衣料、寝具などの生活用品、あるいは、工業用資材、衛生用品などに幅広く利用されています。
大阪府の地域ブランド和泉木綿の歴史
和泉木綿の起源は室町時代にまでさかのぼります。
もともと綿花の生産を行っていたので、豊富な木綿糸を使って製織を始めたのが最初です。
先述の通り、良質な木綿から作られる和泉木綿は評判が高く、江戸時代のころには国内の綿織物の約50%を占めるほどだったと言われています。
時代が明治に移っても、国の重要な生産品として繊維産業が位置づけられ、国内消費のみならず海外にも輸出されるようになったことで和泉木綿の生産も拡大の一途をたどり、昭和48年のピーク時、織物組合の会員数は1200社を超えていました。
ところがその後、日本が豊かになったことで国内の生産コストは急上昇。
繊維産業全体が安い外国産に押されて衰退する中、和泉木綿の生産者数も現在ではかつての7%まで減少しているということです。
現在は、伝統の和泉木綿を守るため、泉州織物工業協同組合と泉州織物構造改善工業組合の2つの組合が中心になって、ブランド化や新たな商品開発などに取り組んでいます。
大阪府の地域ブランド和泉木綿の商標登録情報
1.標準文字商標
登録日 | 平成18年(2006)11月17日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月3日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月3日 |
存続期間満了日 | 平成38年(2026)11月17日 |
商標 | 和泉木綿(標準文字商標) |
称呼 | イズミモメン |
権利者 | 泉州織物工業協同組合、泉州織物構造改善工業組合 |
区分数 | 1 |
第24分類 | 泉州で製織された綿織物【類似群コード】16A01 |
2.ロゴ商標
登録日 | 平成24年(2012)4月13日 |
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出願日 | 平成23年(2011)11月24日 |
先願権発生日 | 平成23年(2011)11月24日 |
存続期間満了日 | 平成34年(2022)4月13日 |
商標 | 和泉木綿 |
称呼 | イズミモメン,イズミメン,イズミワタ |
権利者 | 泉州織物工業協同組合、泉州織物構造改善工業組合 |
区分数 | 2 |
第24分類 | 泉州で製織された綿織物、身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,テーブルナプキン,ふきん,トイレットシートカバー,いすカバー,壁掛け,カーテン,テーブル掛け【類似群コード】16A01、17B01、17C01、19A05、19B56、20C01 |
第25分類 | 泉州で製織された綿織物製の乳児用被服,被服,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴【類似群コード】17A01、17A02、17A03、17A04、17A07、17A10、22A01、22A02、22A03、24A03、24C01、24C02、24C04 |