沖縄県の地域ブランド 「沖縄そば」

沖縄県の地域ブランド沖縄そば(おきなわそば)は、沖縄生麺協同組合によって地域団体商標に登録されています。

沖縄そばは、小麦粉だけを使用した沖縄県産のそばのめんで、製法や素材からいうと、中華麺に分類されますが、沖縄の中で固有に育った製法が受け継がれています。

沖縄県ではいまでもなんと一日19~20万食べられているというまさに県民のソウルフードといっていいでしょう。

目次

沖縄県の地域ブランド商標沖縄そばとは

独特な製法

小麦粉100%だけで作られた麺で、種別として中華麺に含まれます。

つなぎにはかん水を使用しており、塩分と水分は少なめのため麺に弾力があり、和そばが喉ごしを楽しむのに対して、沖縄そばは歯応えが魅力の一つでもあります。

沖縄そば店では、昭和30年頃までかん水ではなく、木を燃やし作られた木灰をつなぎとして使用していたそうです。

木灰には、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどの無機塩類が豊富に含まれおり、独特の風味もあるのですが、現在では製造しやすいことからかんすいが主流になりました。

いまでも、木灰の手打ち麺を出す店がわずかに残っているということです。

定番の具と麺の種類

沖縄そばの具は、皮付き豚のバラ肉を砂糖と醤油で甘辛く煮込んだ三枚肉きざんだしょうが油で揚げたかまぼこが三大定番。

これに、テーブルに常備してある沖縄産の島ねぎをたっぷり乗せるのが沖縄流の食べ方です。

麺の種類も、地域によって少しずつかわり、

  1. 本島北部ではやや幅広の「平麺」
  2. 那覇を中心とする南部では「中太縮れ麺」
  3. 宮古島などで作られている「細長い丸麺」

の3種類があるようです。

組合が定める沖縄そばの定義

沖縄生麺協同組合では、沖縄そばのブランドを維持するため、徹底した品質管理を行っています。

まず、沖縄そば専用の粉を製粉メーカーと共同で研究・開発しており、できた粉を組合で共同購入することによって、組合員だけが専用粉を独占できるようにしています。

また、沖縄生麺協同組合では沖縄そばの定義を厳密に定めています。

以下のどれか1つが欠けても沖縄そばとは呼べないという厳しいルールです。

  1. 沖縄県内で製造されたもの
  2. 手打式(風)のもの
  3. 原料は小麦粉のみ(タンパク質11%以上、灰分0.42%以下)
  4. 加水量は小麦粉重量に対し34%以上~36%以下
  5. かんすいはボーメ2度~4度
  6. 食塩はボーメ5度~10度
  7. 熟成時間は30分以内
  8. めんの厚さは1.5~1.7ミリ、切葉番手(麺の太さの単位)は薄刃10番~12番
  9. 裁断された麺は、ゆでる前に必ず手もみを行う
  10. ゆで水のPHは8~9
  11. ゆで時間は約2分以内で十分可食状態であること
  12. 仕上げに油処理してあること

出典:
沖縄生麺協同組合

沖縄県の地域ブランド商標沖縄そばの歴史

最初は王族した食べられない高級品だった

厳密には分かっていないようですが、中国から沖縄に麺類の製法が伝えたれたのはいまから450~500年前と言われます。

史実に残るものとして、中国の『琉球交流史』に、「1534年、琉球王に粉湯(いわゆる汁そば)を献上した」という記述が見られるということです。

中国から伝えられた汁そばを沖縄県内で手に入る材料でアレンジしていったわけですが、この当時、麺の原料である小麦は大変に貴重な高級品だったため、宮廷料理としてのみ食されていたようです。

明治中期になると一般にも普及しますが、やはり高級品だったため、主に富裕層の食べ物というイメージでした。

米軍統治下で発展した沖縄の味

大正時代になると庶民的な店もできたようですが、本格的に一般に広まるのは戦後のことです。

終戦によって沖縄がアメリカの統治下に置かれたことで、米軍が配給する小麦粉が大量に出回るようになったのです。

また、戦争によって職を失った人々が、日銭が稼げるソバ屋を相次いで開業したことから一気に店舗数も増えていきました。

さらに、1970年代になると、全国的に広く知られる沖縄そばの定番ソーキそばが誕生、沖縄そばは県民のソウルフードとして定着することになります。

沖縄そば最大の危機

1976年、沖縄はアメリカの統治下から日本に返還されました。

本土復帰により、アメリカの法律体系から日本の法律の統治下になったわけですが、いろいろな文化の衝突があった中で、「沖縄そば」という商標の使用を禁止するという通達が公正取引委員会から出されたのです。

当時の公正競争取引規約によって、そば粉を30%以上含んでいないとソバとは呼んでいけないという決まりに従ったものです。

県民に親しまれた沖縄そばの商標が使えなくなるという危機に沖縄生麺協同組合が立ち上がり、各方面に商標の存続を働きかけたことで、継続使用を勝ち取りました。

なお、公正取引委員会から沖縄そばの呼称認定を受けた1978年10月17日を記念し、沖縄では毎年10月17日を「そばの日」に認定しています。

参考:
沖縄生麺協同組合
沖縄そば いしぐふー
沖縄インターネット放送局

沖縄そばの商標登録情報

1.標準文字商標

登録日 平成18年(2006)12月8日
出願日 平成18年(2006)4月1日
先願権発生日 平成18年(2006)4月1日
存続期間満了日 平成28年(2016)12月8日
商標 沖縄そば
称呼 オキナワソバ
権利者 沖縄生麺協同組合
区分数
第30分類 小麦粉を使用した沖縄県産のそばのめん【類似群コード】32F03

2.ロゴ商標

登録日 平成20年(2008)4月18日
出願日 平成19年(2007)9月13日
先願権発生日 平成19年(2007)9月13日
存続期間満了日 平成30年(2018)4月18日
商標 §沖縄そば
称呼 オキナワソバ
権利者 沖縄生麺協同組合
区分数
第16分類 印刷物,文房具類,紙製のぼり【類似群コード】19B22、25B01、26A01
第24分類 のぼり及び旗(紙製のものを除く。)【類似群コード】19B22
第25分類 被服【類似群コード】17A01、17A02、17A03、17A04、17A07、17A10
第30分類 小麦粉を使用した沖縄県産のそばのめん【類似群コード】32F03
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