奈良県の地域ブランド吉野桧は、平成20年2月8日、奈良県木材協同組合連合会と奈良県森林組合連合会により地域団商標に登録されました。
奈良県は林業に適した地域で、古くから吉野林業と呼ばれる独特の林業が発達し、我が国を代表する木材の産地として知られます。
中でも、吉野桧は吉野杉とともに奈良県の林業における2大ブランドとなっています。
奈良県の地域ブランド吉野桧とは
吉野桧の特徴は以下の7つ。
- 無節:節がないこと
- 均質な年輪幅年輪幅:年輪の幅が均一のため木目が美しい
- 真円:断面が真円に近い
- 通直:木がまっすぐ伸び曲がりやヨレが少ない
- 香り:香りがよい
- 色沢:色艶がある光沢にするぐれる
- 強度:高い強度を持つ
余計な枝を切り落とす枝打ちを丁寧に繰り返すことで、節のないきれいな木目が実現します。
また、吉野林業では、1ヘクタールあたりに8,000本~12,000本という大量の木を植える「密植」を行います。
こうすることで木が競いあい、より日光を多くうけようとしてまっすぐ伸びていくため、年輪幅が細かく均質で、曲がりやよれが少なく、頑丈な木材に育つそうです。
美しさと頑強さを兼ね備えた吉野桧は、法隆寺のような重要な寺社仏閣をはじめ、様々な建築物に使用されてきました。
奈良県で林業が発達したわけ
吉野は、木曽と並んで、我が国有数の木材の産地です。
特に吉野は、奈良県南部を流れる吉野川、高見川、丹生川流域の吉野町、 東吉野村、西吉野村、川上村、黒滝村を中心に、豊かな水量、霧が多い、寒暖の差が激しいなど、林業にとって理想的な自然環境に恵まれ、古くから人工林の育成が盛んでした。
自然林を切って売るのとは異なり、植林によって人口の木材を生産していく林業は、代々に受け継がれる極めて息の長い産業形態です。
いまの林業者が伐採して出荷した木は自分で植えたのではなく、先代、先々代の林業者が植えたものであり、いまの林業者が植林した木を自分で刈り取ることはなく、後の世代の林業者が伐採して出荷することになります。
したがって、代々に渡って技術を継承していくことが極めて重要になり、そのサイクルが完成するまでには気の遠くなるような時間と関係者の努力が必要。
これが、吉野の木材の高い質を作り出しているわけです。
奈良県の地域ブランド吉野桧の現在
吉野地方における人工林の歴史は約500年前から始まります。
恵まれた自然環境を活かし、高品質材の生産を目指してきた吉野林業地は、「吉野材」の産地として全国的に有名になりました。
さらに、奈良県では伝統の吉野林業を維持発展させていくために、奈良県地域認証材制度を設けています。
奈良県産の木材の含水率や強度等の品質基準を予め設定し、奈良県地域材認証センターでは、測定し、一定の品質基準を満たす木材を認証する制度です。
こうした制度の運用により、常に一定品質の木材を供給し、吉野材のブランド力を維持しているのです。
吉野桧の商標登録情報
登録日 | 平成20年(2008)2月8日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月1日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月1日 |
存続期間満了日 | 平成30年(2018)2月8日 |
商標 | 吉野桧、標準文字商標 |
称呼 | ヨシノヒノキ |
権利者 | 奈良県木材協同組合連合会、奈良県森林組合連合会 |
区分数 | 1 |
第19分類 | 奈良県吉野地方産の桧材【類似群コード】07C01 |