市田柿は長野県の代表的な地域ブランドです。
2006年にJA南信州と下伊那園協同組合の共同出願によって地域団体商標に登録されました。
もともとは渋柿の一種で、現在の下伊那郡高森町の市田地域で栽培が始まったことから市田柿の商標が付けられたものです。
長野の市田柿とは
長野県の市田柿は、生では食べられない渋柿、ころ柿の一種。
干し柿にしたもののみを市田柿と呼ぶことが認められています。
生柿を干し、水分を抜くことで渋みがなくなり、甘みが凝縮されます。重量比で4分の1程度まで干し上げると、糖度は65~70%まで高まります。
市田柿はもっちりとした食感と品の良い甘みに加えて、ブドウ糖の結晶である白い粉で果肉が覆われ、まるで化粧をほどこしたような美しさが特徴です。
さらに、ビタミン、ミネラル、ポリフェノール、食物繊維などの栄養価が多く含まれ、健康的なお菓子として人気です。
長野の市田柿の由来
長野の市田柿は500年以上前に栽培は始まったと言われています。
江戸時代後期には、現在の下伊那郡高森町に当たる下市田村に焼柿と呼ばれる後の市田柿の原木となる柿の木がありました。
焼柿になる実はおいしいと評判で、みなこぞって収穫したのです。
やがて、大正時代になると焼柿を干柿にして販売するようになりました。
このころから市田柿の商標が使われていたようです。
その後、原木の焼き柿の枝をとって渋柿に接木することによって大量栽培が始まり、市田柿は地元の名産品として広まっていくのです。
昭和になり、長野県が栽培奨励品目として指定。優良系統の選定や試験研究などを繰り返し、一定品質に達した商品のみを市田柿と認定することで、ブランド価値が高まっていきました。
現在は、南信州一帯で柿が栽培されています。
収穫期の紅葉シーズンになると、皮が剥かれ、つるされた柿が農家の庭先に一斉に並ぶ光景が見られます。
柿のれんと呼ばれ、いまやは長野の秋の風物詩ともなっています。
市田柿の商標登録の状況
登録日 | 平成18年(2006)11月10日 |
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登録公報発行日 | 平成18年(2006)12月12日 |
公開日 | 平成18年(2006)4月27日 |
出願番号 | 商願2006-29558 |
出願日 | 平成18年(2006)4月3日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月3日 |
存続期間満了日 | 平成28年(2016)11月10日 |
商標 | 市田柿(標準文字商標) |
称呼 | イチダガキ,イチダカキ |
権利者 | みなみ信州農業協同組合(長野県飯田市北方3852番地22<、下伊那園芸農業協同組合(長野県飯田市箕瀬町1丁目2454番地3 |
区分数 | 1 |
第29類 | 長野県飯田市・下伊那郡産の干し柿【類似群コード】32F04 |