宮城県味噌醤油工業協同組合(宮城県仙台市青葉区一番町二丁目11番1号)は、2007年3月16日、「仙台味噌」、「仙台みそ」を地域団体商標に登録しました。
宮城県の名産品、仙台味噌は赤みその代表格として全国的に知られています。
ブランドが確立したのは戦国時代。
その背景には、戦国武将として知られた宮城県の英雄がかかわっているそうです。
宮城県の仙台味噌とは
宮城県の仙台味噌は、分類で言うと米麹を使った「米みそ」。
塩分が約11~13%と高めの赤みそです。
調味料としてはもとより、そのまま食べても美味であることから、通称「なめみそ」とも呼ばれます。
由来は、戦国武将として知られる仙台藩藩主伊達政宗にあります。
正宗の命で、遠征先での携帯用軍糧として、味噌生産場「御塩噌蔵(おえんそぐら)」が開設されたのが仙台味噌の始まりとされます。
元来、味噌は各家庭で自家用に作るものであり、工業のよる生産が行われた初めてのケースと言われています。
一般的な味噌より塩分が高めなのも、携行して持ち歩くことを主眼としたからです。
軍糧としての効用が発揮されたのは、秀吉の朝鮮役でのことでした。
戦闘が夏場に差し掛かった際、他藩が携行していた味噌が腐敗してしまったのを知り、仙台藩が自前の味噌を分け与えたところ、まったく変質しておらず、味も良いと評判になりました。
戦国の世が終わると、仙台の味噌生産は商業用として発展。
特に、江戸で生産されたものは、宮城県で培われた製法に加え、江戸の庶民に好まれる甘みのある味に改良したところ大変なヒット商品となり、それまで単に「味噌」と呼ばれていた商品が「仙台味噌」としてブランド化され、現在にいたっているということです。
宮城県の仙台味噌のブランド力の考察
仙台味噌は、地元宮城県の英雄であり、戦国武将として名高い伊達政宗が作らせた軍糧が発祥という説明をしてきました。
このような、ブランドの発祥に由来する物語をブランドストーリーと言います。
ブランドストーリーはブランディングの必須条件の一つであるポジショニングの確立にとって重要な要素です。
それは、ブランドの存在意義、アイデンティティの問題にかかわるからです。
言い換えると、よいブランドは、「そもそもわが社(製品、ブランド)は何のためにあるのか」という問いに対する明確な答えを持っています。
逆に、ブランドが顧客、あるいは社会に対して、何を提供するためにあるのか、という軸がぶれると、いままで支持されていた顧客から見限られてしまうことになります。
そこで、そもそもうちの会社、うちの製品とは、何のためにあったのか、というブランドの原点を見つめなおすために、ブランドストーリーが大きな役割を果たしています。
つまり、仙台味噌なら、軍糧として開発されたものである、というところが原点になっています。
名声を確立した最初のきっかけも、戦場でのエピソードです。
したがって、仙台味噌は、塩分が多めで長持ちする、おかずがなくても味噌だけでご飯が食べられるほど風味がよいというところが原点であり、ブランドとしての名声を確立した強みがあります。
ここを離れてしまったら、仙台味噌ではなくなってしまうというわけです。
特に、ブランドストーリーは、ブランドの創始者が去った後の時代に有効だと言われています。
たとえば、シャネルというブランドは、ココ・シャネルが存命の間、ブランドストーリーは必ずしも必要ではなかったはずです。
なぜなら、シャネルらしさとは何か、シャネル製品とはどうあるべきか、シャネルとして顧客に何を提供するのかといったことは、すべてココ・シャネル自身が体現しているからです。
偉大な創始者が去ったあと、ブランドが顧客に提供し続ける価値基準を決してぶれさせず、何度代替わりしても永遠に受け継いでいくために、ブランドの原点に回帰するわかりやすいストーリーが極めて重要な手がかりになるわけです。
このために、実は、ブランドストーリーは必ずしも歴史的事実に忠実である必要はないとされます。
仙台味噌についても、伊達政宗本人が味噌づくりを指示したかどうかは不明のようです。
おそらく、藩の役人が考えたのでしょう。
だけど、「正宗の指示」としておいたほうが後の世代も受け入れやすいわけです。
ブランドストーリーの目的は史実を正確に伝えることではなく、後の世の人が、ブランドの原点を見つめなおす際の手掛かりになるものなので、脚色してもいいということなのです。
参考:
宮城県味噌醤油工業協同組合
キリン食生活文化研究所
味噌専門ページ ピントル
仙台味噌の商標登録情報
登録日 | 平成19年(2007)3月16日 |
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出願日 | 平成18年(2006)5月18日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)5月18日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)3月16日 |
商標 | 仙台みそ |
称呼 | センダイミソ |
権利者 | 宮城県味噌醤油工業協同組合 |
区分数 | 1 |
第30類 | 仙台藩に由来する製法により仙台を中心とした宮城県の地域内で生産されたみそ |
登録日 | 平成19年(2007)3月16日 |
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出願日 | 平成18年(2006)5月18日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)5月18日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)3月16日 |
商標 | 仙台味噌 |
称呼 | センダイミソ |
権利者 | 宮城県味噌醤油工業協同組合 |
区分数 | 1 |
第30類 | 仙台藩に由来する製法により仙台を中心とした宮城県の地域内で生産されたみそ |