三重県の地域ブランド商標 「伊勢うどん」

色の濃いタレと極太のやわらかい麺が特徴的な三重県のご当地グルメ「伊勢うどん」。

古くから参詣客のお腹を満たしてきた、地域の名物です。

伊勢うどんは平成20年(2008)2月22日に地域団体商標登録されました。

郷土料理だった伊勢うどんがどうやって三重県を代表するブランドになったのでしょうか。

目次

三重県の地域ブランド伊勢うどんの特徴など

三重県伊勢市を中心に食べられている独特のうどんを伊勢うどんといいます。

タレの色が濃いので一見塩辛いと思われがちですが、カツオや昆布のだしを加えた溜まり醤油なので実際はそれほどでもないまろやかな味です。

太く柔らかい麺はこのツユにからみやすいようにできています。

麺を茹でる時間が非常に長く、1時間弱の時間を要します。(ふつうのうどんは約15分)。

具はほとんどなく、麺と汁だけで食べるとてもシンプルなうどんです。

三重県の地域ブランド伊勢うどんの歴史

江戸時代以前からこの地では、味噌のたまり(味噌樽の底にたまる醤油に似た液体。調味料として使われた)をつけたうどんを食べていました。

それを、鰹節などを加えたりし食べやすく改良してきたものが伊勢うどんといわれています。

最初に伊勢うどんをメニューとして作ったのは浦田町橋本屋七代目である小倉小兵という人だと言われています。

伊勢神宮に参る人たちのために開店したうどん店で、長旅の疲労が溜まった人に消化のよいものを出そうということで、うどんを柔らかく煮たという説もあります。

あるいは、別の説では、お客さんを待たせないために、茹で時間を気にしなくていいコシのないうどんになったのでは、とも言われています。

この地ではもともと伊勢うどんしかなかったので、単に「うどん」と呼ばれていましたが、タレントの故永六輔さんが「伊勢うどん」と名付けたことからそう呼ばれるようになり、やがて1972年に勢市麺類飲食業組合によって商標が「伊勢うどん」に統一されました。

三重県の地域ブランド伊勢うどんの関連情報など

中里介山の長編小説「大菩薩峠」にも伊勢うどんは登場します。

作品では

豆腐六のうどんは雪のように白くて玉のように太い、それに墨のように黒い醤油を十滴ほどかけて食う。

『このうどんを生きているうちに食わなければ、死んで閻魔に叱られる』――土地の人にはこう言い囃されている名物

と表現されています。(『大菩薩峠 間の山の巻』より引用)

三重県の地域ブランド伊勢うどんの商標情報

1.標準文字商標

登録日 平成20年(2008)2月22日
出願日 平成19年(2007)7月5日
先願権発生日 平成19年(2007)7月5日
存続期間満了日 平成30年(2018)2月22日
商標 伊勢うどん(標準文字商標)
称呼 イセウドン
権利者 三重県製麺協同組合
区分数
第30分類 三重県産のうどんのめん【類似群コード】32F03

2.ロゴ商標

登録日 平成27年(2015)6月5日
出願日 平成26年(2014)9月26日
先願権発生日 平成26年(2014)9月26日
存続期間満了日 平成37年(2025)6月5日
商標 伊勢うどん
称呼 イセウドン
権利者 三重県製麺協同組合
区分数
第30分類 三重県産のうどんのめん,うどんつゆ【類似群コード】31A02 32F03
第43分類 うどんを主とする飲食物の提供【類似群コード】42B01
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