三重県伊賀市の地域ブランド商標である伊賀くみひもは、平成20年(2008)1月11日、三重県組紐協同組合によって地域団体商標に登録されました。
経済産業省が指定する伝統的工芸品でもあり、伝統の技を守りつつ、くみひもの技術を生かしてキーホルダーやブレスレットなど新しい分野の商品開発にもチャレンジしています。
三重県の地域ブランド伊賀くみひもとは
色とりどりの絹糸を中心に、金糸、銀糸などをより合わせてつくるくみひもの中で、伊賀のくみひもは特に美しさと細工の細やかさで知られます。
そもそも、くみひもは、仏具の飾りや礼服の留め具など主に装飾品として発展し、実用性を超えて美しさ、優美さが追求されていったものです。
組み上げるときの断面の形により、角打ち紐、平打ち紐、丸打ち紐の3種類がありますが、伊賀くみひもは平打ち紐の代表的な組み紐です。
その歴史は定かではありませんが、奈良の正倉院に残された楽器に伊賀くみひもの原形らしい紐が飾り付けられているということなので、奈良時代にまでさかのぼれるようです。
すでに、一般の組み紐は機械化が進んでいますが、伊賀くみひもはいまでも伝統の技にのっとり、手で組み上げられるのも大きな特徴です。
三重県の伊賀くみひもの歴史
奈良時代のころ、くみひもの技術が大陸から伝わり、三重県の伊賀くみひもの原型になったとされています。
平安時代には、礼服や祭式道具の飾りにかかせない素材として重用されました。
特に、朝廷に好んで使われるようになったことで、より優美に、より緻密になり、芸術性の高いものに進化していきました。
戦国時代になり、公家文化から武士文化に移行するころになると、今度は、三重県の伊賀くみひもは、鎧や刀剣の飾紐として使われるようになりました。
明治以降、刀剣など武具の所持が禁じられると、くみひもは羽織紐やタバコ入れの紐などより生活に身近な品物に使われるようになっています。
伊賀くみひもが現在のようなブランドを築く要因になったのは、明治中期に活躍したくみひも職人である廣澤徳三郎の存在が大きいと言われています。
廣澤は江戸で組紐の技術を学んだ職人で、故郷の伊賀に帰ると自分の店を開き、技術の伝承と職人の育成に力を注ぎました。
いまでも廣澤の開いた店は三重県伊賀市に残っており、三代目の廣澤浩一さんが伝統の技を守っています。
伊賀くみひもの商標登録の状況
登録日 | 平成20年(2008)1月11日 |
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出願日 | 平成19年(2007)2月28日 |
先願権発生日 | 平成19年(2007)2月28日 |
存続期間満了日 | 平成30年(2018)1月11日 |
商標 | 伊賀くみひも(標準文字商標) |
称呼 | イガクミヒモ |
権利者 | 三重県組紐協同組合 |
区分数 | 1 |
第25分類 | 三重県伊賀市・名張市で生産されたくみひもを使用した帯締め,三重県伊賀市・名張市で生産されたくみひもを使用した羽織り紐【類似群コード】17A03 |