日本の文化の多くは、中国をはじめとする大陸から伝えられたものがほとんどですが、たたみは日本固有の文化として知られます。
なかでも、京都で作られたものは特別に「京たたみ」と呼ばれ、珍重される地域ブランドです。
京都のたたみとその他のたたみがどう違うのか、また京都でたたみ生産がさかんになった経緯について調べてみました。
京都の地域ブランド京たたみとは
京たたみは、京都が生んだ伝統工芸品です。
一般的に、たたみといっても、家庭用の一般畳と、神社仏閣などで使われる有職畳、柔道で使われる縁のないたたみなど、いくつかに分類できます。
なかでも、極めて高度な技術を有する有職畳は京都で生産されているものがほとんどです。
高い技術を持つ職人、伝統の技を受け継ぐ工房が多く残る京都という土地が、ブランド価値の高いたたみ、京たたみを生んだわけです。
京もの指定工芸品としての規定
京たたみは、京都府が認定する京都府知事指定伝統工芸品に指定されています。
京都府知事指定伝統工芸品は、京都を代表する伝統工芸品や伝統食品を保護・育成するとともに、全国に情報発信していくことを目的としており、京もの指定工芸品、京もの技術活用品、京もの伝統食品の3つに分類されます。
このうち、京たたみは、京もの指定工芸品に指定されています。
京もの指定工芸品に指定されるためには、以下の条件が必要です。
- 製造工程の主要部分が手工業的な方法、または、手工業的な方法を応用した方法により製造されるものであること。
- 伝統的な技術、または、技法により製造されるものであること。
- 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、または、伝統的に使用されてきた意匠が用いられ、製造されるものであること。
組合が指定した京たたみの基準
また、京たたみの地域団体商標を管理する京都畳商工協同組合が独自に設定している基準もあります。
京都畳商工協同組合によれば、京たたみと呼べるものは、以下の2点の条件をクリアしていることが必要です。
- 京都畳商工協同組合の加盟者が製造していること。
- 京都府内の、京都市、宇治市、城陽市、向日市、長岡京市、京田辺市、与謝野町の指定生産区域内で製造したもの。
京都の地域ブランド京たたみの歴史
畳の歴史は古く、奈良時代に編纂され古事記にもしばしばたたみの記述が登場しており、すでに1300年前には存在していたと言われています。
当時の日本で使われていたものはその多くが中国を起源としたものでしたが、たたみの製造技術は日本発祥です。
もともとは権力の象徴とされていたようで、平安時代には貴族等が使用していました。
一般家庭は板の間にむしろを敷いたもので、たたみはとても贅沢なものだったのです。
その後、寺社仏閣でたたみが使われるようになり、全国に普及していくのにともない、安価な製品もでまわり、一般にも普及し始めたようです。
中でも、京都は、古くから政治の中心であり、また、寺社仏閣も集中していたことからたたみの生産が盛んでした。
「京間」という言葉があるように、もともとは京都から発症した建築基準に従って建物が建てられていたのです。
とくに、京たたみを広げたのは茶の湯の文化でした。
いまでも伝統的な技術が継承される京都では、全国的にはほとんど行われなくなった手縫いによるたたみの生産が続けられているのです。
京たたみの商標登録の状況
登録日 | 平成19年(2007)12月28日 |
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出願日 | 平成18年(2006)12月28日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)12月28日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)12月28日 |
商標 | 京たたみ(標準文字商標 |
称呼 | キョータタミ |
権利者 | 京都畳商工協同組合 |
区分 | 第27分類:京都産の畳 |
類似群コード | 20B01 |