京都の地域ブランド京念珠は、平成19年(2007)4月6日、京都珠数製造卸協同組合と京都念珠製造販売事業協同組合の連名で地域団体商標に登録されました。
「念珠」は「数珠」の別名で、とくに京都では「念珠」と呼ばれます。
古い伝統が息づく街京都には、様々な伝統工芸、伝統文化がいまでも色濃く残っています。
仏教文化に深くかかわる京念珠とはどのようなものでしょうか。
京都府の地域ブランド京念珠とは
数珠と一口に言っても、宗派によって寸法も使う材質も違えば、仕上げの方法なども多岐に渡ります。
主な種類だけでもおよそ「70種類」と言われます。
このため、多くの分野にまたがる専門の職人の集団が必要であり、1200年の昔から日本の文化の中心として栄えた京都でこそ発展した産業と言えるでしょう。
現在でも、数珠の生産量のおよそ9割が京都に集中しています。
京念珠はすべて昔ながらの技法にのっとり、職人の手によって一つひとつ生産されているのが大きな特徴です。
京都数珠製造卸協同組合では、伝統ある京念珠の製造技術を維持継承するため、職人の育成と技術の向上を目的に京念珠製造師検定を実施。
合格者には京念珠製造師と認定しています。
現在、京念珠と呼べるものは、この京念珠製造師の資格を有する職人が手掛けた製品のみに限られています。
数珠の起源とは
数珠の歴史は古く、紀元前2世紀ごろには仏教の盛んな地域ですでに使われていたそうです。
日本に伝わったのは仏教の伝来と同時ということですから、飛鳥時代の6世紀ごろです。
玉を糸に通してつなげた基本的な形はすでに確立していました。
もともと、玉の数は人間の煩悩の数と同じ108個。
経を一読するごとに玉を一つずつ指でずらし、何回経をとなえたか、数えるための道具だったのです。
「数珠」という名称はここから来ています。
時代を経るにつれ、念珠の数取りとしての意味は薄れ、象徴的な意味合いが濃くなってきます。
したがって、現在の玉の数は108とは限らず、様式によって54、27、18玉など様々。
最高では1080玉のものがあるということです。
念珠の豆知識
お祝いごとにも使える縁起のよいもの
お葬式やお墓参りなど仏事で使われることが多い数珠ですが、京都では、成人のお祝いにお念珠を贈る習わしがあり、慶事にも使われることがあり、実はとても縁起がいいものです。
使わなくなった念珠の処分法
古くなって使えなくなった念珠の処分はどうしているでしょうか。
ゴミと一緒に捨てるのは何となくしのびないものです。
そこで、京都珠数製造卸協同組合では、使わなくなった珠数を供養する珠数供養会を毎年11月23日、京都市の赤山禅院(せきざんぜんいん)で行っています。
わざわざ京都まで出向かなくても、珠数の販売店を通して送る方法や、赤山禅院に直接郵送する方法などがあります。
参考:
京都珠数製造卸協同組合
京念珠の商標登録情報
登録日 | 平成19年(2007)4月6日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月1日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月1日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)4月6日 |
商標 | 京念珠(標準文字商標) |
称呼 | キョーネンジュ |
権利者 | 京都珠数製造卸協同組合、京都念珠製造販売事業協同組合 |
区分数 | 1 |
第20分類 | 京都に由来する製法により京都市及びその周辺地域において生産された念珠【類似群コード】20F01 |