古都京都の1200年の歴史に育まれた地域ブランド「京味噌」。
平成19年4月6日、京都府味噌工業協同組合によって地域団体商標に登録されました。
別名、白味噌、西京味噌とも言います。
京料理に欠かせない調味料、京味噌はいかにして誕生したのでしょうか。
京都の地域ブランド京味噌とは
低塩で米麹のまろやかな甘みが特徴と言われます。
色は白色で、きめが細かく、料理にはもちろん、お菓子の素材としても重宝されます。
京都府味噌工業協同組合によると、京味噌と呼べるものは下記の要件をクリアしたものです。
1.京味噌の条件とは
- 京都府味噌工業協同組合に所属する企業が製造していること。
- 同組合の認定する原料を使用し、京都府内で生産すること。
- 同組合の品質認定を受けること。
- 京味噌伝統の低塩甘口の白みそであること。
2.京味噌の品質認定とは
- 京味噌の品質認定は、京都府味噌工業協同組合内に設置する品質審査委員会において実施する。
- 品質認定において認められた商品のみが京味噌の商標を使用できる。
3.京味噌の製造企業になるには
- 次のうちのいずれかに該当しなければ京味噌の製造はできない。
- 京都府内で創業50年以上、もしくは味噌技能士1級以上の技術者が在職していること。
- 全国味噌協同組合連合会主催の鑑評会で表彰されている、またはそれと同等の製造技術を有していること。
このような非常に厳しい管理のもとで京味噌は製造されているのです。
京都の京味噌の由来
京料理といえば、独特の地場野菜である京野菜、乾物、豆腐や湯葉を始めとする大豆加工食品といった淡白な素材を使い、素材の味を引き出す薄味に仕上げ、また、味だけでなく見た目の美しさにも細心の気を配ることで知られます。
そんな京料理を引き立たせる調味料として、京味噌の製法は発展しました。
米麹をより多く使うことでまろやかな味になり、また、通常の味噌は塩分が10%以上含まれるところ京味噌は5%以下に抑えることで、コクのある甘口の味噌になります。
京味噌は別名、西京味噌とも呼ばれます。
これは、明治維新によって江戸が東京(東の都)となったことで、京都を西京(西の都)と呼ぶようになったことに由来します。
京都の京味噌はなぜ白い
京都の白味噌はなぜ白いのでしょうか。
答えは、大豆の色そのままだからです。
白味噌が白い理由ではなく、淡色味噌や赤味噌はなぜ色がつくのか、という視点で見るとわかりやすくなります。
原料の大豆は白いのに、味噌になると色がつくのは、大豆たんぱくに含まれるアミノ酸に原因があります。
色付きの味噌は大豆を蒸すことで、アミノ酸が糖と科学反応を起こして褐色に変化するのです。
これに対して、白味噌は大豆を煮るので、アミノ酸が湯に解けだし、化学反応が抑えられます。
さらに、白味噌の中でも京味噌は塩分を極端に抑えているので熟成期間が短いことも関係しています。
煮ると化学反応が起こりにくいといっても熟成しているうちに少しずつ色づいていきますが、熟成期間の短い京味噌は反応が起きるまえに製品化されるので、大豆の白色を保ったままなのです。
京味噌の商標登録の状況
登録日 | 平成19年(2007)4月6日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月1日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月1日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)4月6日 |
商標 | 京味噌 (標準文字商標) |
称呼 | キョーミソ |
権利者 | 京都府味噌工業協同組合 |
第30分類 | 京都産の味噌 【類似群コード】31A01 |