岩手県の地域ブランド真崎わかめは平成20年2月8日、田老町漁業協同組合によって地域団体商標に登録されました。
岩手県はわかめ生産量日本一を誇り、中でも真崎わかめは岩手県宮古市田老だけで扱われる高級わかめとして知られます。
どの地域のわかめも同じ海の中にあるのになぜ真崎わかめは特別なブランドになっていったのでしょうか。
岩手県の真崎わかめとは
厳しい環境に適応した特別なわかめ
一口にわかめといっても、実は二種類あります。
内海など比較的に潮流が穏やかな海域に生息する南方わかめと、波の荒い外洋で獲れる北方わかめです。
厳しい環境で育つ北方わかめは、環境に適応するため南方種に比べて茎が長く、葉が肉厚で、切れ込みが深くなります。
とくに、真崎わかめの獲れる岩手県の三陸沖合は、寒流と暖流がぶつかる非常に波の荒い海域として知られます。
このため、真崎わかめはより肉厚でしっかり歯ごたえのあるわかめになります。
それだけでなく、暖流からもたらされるプランクトンやミネラルなどの豊富な栄養素に恵まれることから、味もよくなると言われます。
手間はかかっても天然に近い環境で育成
真崎わかめは、地場産の天然わかめだけを親株に使い、より自然に近い環境で育てるためにわざわざ波の荒い外洋に養殖施設を設けてあります。
ときに10mを越える荒波に襲われる養殖施設は度々破損することもあるそうです。
岸から近い近海で養殖するほうが管理も簡単でコストも安くあがりますが、それでも味とブランドを守るために、天然に近い環境での育成にこだわっているのです。
さらに、収穫についても、旨みが凝縮する3月から4月に限定し、採取から水揚げまで日光に当てないよう夜間にすべての作業を行うなど、徹底したこだわりが高級わかめとして高い評価を受ける背景にあります。
岩手県の真崎わかめの由来
真崎わかめは、岩手県三陸沖の厳しい自然環境が生んだわかめブランドですが、漁業関係者は、ただ単に自然の恩恵に浴してきたのではありません。
おいしいわかめの味を守るために、自然環境を守ってきたのです。
どういうことかというと、昔から海岸線の森林は海の幸をもたらしてくれる「魚つき林(うおつきりん)」として、伐採するなどみだりに手を加えてはならないという風習が全国的にありました。
森林に手を加えると、漁獲量に影響する傾向があったことから信じられてきたものですが、田老町漁協ではこの教えを忠実に守り、森の伐採を禁じてきました。
平成4年から毎年、広葉樹の植樹も行っています。
森林の伐採などが漁の環境に与える影響には科学的根拠はないという説もありましたが、今日では、水源地である森林の状態が、川を通して海の環境に大きな影響を与えていることが明らかになりつつあります。
さらに、漁協女性部では平成10年から合成洗剤追放運動を行い、海の水質を守るための取り組みも行っています。
こうした地道な取り組みによって海の環境が守られ、真崎わかめのブランド力を支えているのです。
真崎わかめの商標登録情報
登録日 | 平成20年(2008)2月8日 |
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出願日 | 平成19年(2007)5月5日 |
先願権発生日 | 平成19年(2007)5月5日 |
存続期間満了日 | 平成30年(2018)2月8日 |
商標 | 真崎わかめ(標準文字商標) |
称呼 | マサキワカメ |
権利者 | 田老町漁業協同組合 |
区分数 | 1 |
第29分類 | 岩手県宮古市田老真崎海域及び近隣海域で収穫し、岩手県宮古市田老で加工した塩蔵わかめ【類似群コード】32C02 32F02 |