秋田県の名産、秋田由利牛は、昭和58年に誕生した比較的に新しい地域ブランドです。
秋田県の高原地域は、きれいな水と豊かな牧草地、寒暖の激しい気候など放牧に適した環境をもちながら、県内では牛肉食がさかんではないため、子牛の生産が主で、県内の独自ブランドはありませんでした。
そこで全国にアピールするために、平成19年3月に秋田県として初めて、秋田独自のブランドとして秋田由利牛の地域団体商標登録に踏み切りました。
秋田の地域ブランド秋田由利牛とは
適度に引き締まった肉質、赤身の中にもきめ細かなサシがはいり、脂の旨みが強いのが特徴とされます。
秋田由利牛として認められるのは、下記の条件を満たした牛のみです。
- JA秋田しんせい由利牛肥育部会員の飼育による黒毛和種であきた総合家畜市場に上場された子牛を素牛とする。
- その他の子牛を素牛とした場合は県内での飼養期間が20ヶ月以上たったもの。
- 枝肉の等級は5等級及び4等級。
- 3等級の場合は月齢30ヶ月以上のもの。
秋田由利牛の由来
秋田由利牛の命名の由来となっている由利地域は、東北第二の高峰である鳥海山の麓に広がる地域です。
中でも放牧が盛んな鳥海高原地域は、昼夜の温度差が激しく、牧草が豊富に育ち、ミネラル分の多い水質といった肉牛生産に適した環境を持っています。
このため、由利地域はもともと子牛の生産が盛んで、県外の畜産家向けに年間約2500頭の子牛を出荷しています。
当然、秋田由利牛も由利地域で生まれた子牛を育てたものです。
一般的なブランド牛は、繁殖、飼育、肥育を別々の地域で行っていることも少なくありませんが、地域内で一貫して生産できるのが由利牛の大きな特徴の一つです。
秋田由利牛ができるまで
秋田由利牛は昭和58年に誕生した比較的に新しい地域ブランドです。
それというのも、秋田は肉牛の飼育そのものは盛んでしたが、秋田県の食文化には、意外にも牛肉を食べる習慣が育っていなかったのです。
この地域の人は鶏肉と豚肉を好んで食べる傾向が強く、このため、育てた牛を県内で消費することが少なく多くを県外に出荷していました。
つまり、由利牛として生まれた子牛が、他の地域に出荷されて成牛に育ち、他のブランド牛として出荷されることになっていたのです。
秋田県にはもともと「三梨牛(みつなしぎゅう)」という高級ブランド牛がありました。
高級牛肉の代名詞である松坂牛、近江牛などと並び称されるほどの高級品として知られていましたが、生産数が希少で産業として育成するには規模が小さすぎるのが難点でした。
そこで県内の新たな高級ブランド牛として誕生したのが、秋田由利牛です。
新しいブランドの普及においては、畜産農家、市町村、JAが協力し、県内消費者への浸透を図りつつ、都内のデパートで新進の高級牛肉として展開するなど、知名度のアップを図ったのです。
秋田由利牛の商標登録の状況
登録日 | 平成19年(2007)3月30日 |
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出願日 | 平成18年(2006)7月24日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)7月24日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)3月30日 |
出願種別 | 地域団体 |
商標 | 秋田由利牛(標準文字商標) |
称呼 | アキタユリギュー,アキタユリウシ,ユリギュー,ユリウシ,アキタギュー,アキタウシ |
権利者 | 秋田しんせい農業協同組合 |
第29分類 | 秋田県由利本荘産の牛肉【類似群コード】32A01 |