弁理士とはどんな人達?

これを読んでいる皆さんは、商標登録について知りたいのと同時に、「弁理士に依頼するかどうか」を検討している方も多いのではないでしょうか?

「弁理士に依頼するかどうか」を考えるためには、まず、弁理士という人達がどういう人間で、どういう仕事をしているのかを知ると早いかと思います。

ここでは、少々遠回りにはなりますが、私自身の職業でもある「弁理士」ってどういう人?ということを、ここだけの話、ざっくばらんに説明してみたいと思います。

目次

1.弁理士とは何?

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私は8年ほど弁理士をやっていますが、よく、「弁理士って初めて聞きました」とか「初めて弁理士という人に会いました」と言われます。

また、よく間違われるNO.1は「弁護士」で、たまに「便利屋さん」と間違われることもあります。

このように、まちがいなく、弁理士という資格は、一般の方から見て非常にマイナーなようです。

一般の方だけでなく、例えば、経営者の勉強会などで「弁理士って知っている人は手をあげてください」と言っても、半分くらいしか手が上がらなかったりします。

弁理士という職業は、弁護士と同じく、法律系の国家資格です。弁護士がすべての法律を扱う事ができる資格であるのに対して、扱う分野が非常に特殊で、特許、商標、意匠、著作権など、知的財産権に関する専門家といわれています。

さらに詳しく言いますと、単に専門家であるだけでなく、特許を取得したり、商標登録、意匠登録などをするときに、お客様の「代理人」として特許庁に手続きをできることが最大の特徴と言えます。

これは、弁理士の「専権業務」であり、弁理士以外の人がこの業務をすると、法律で罰せられます。

なお、先ほど述べました通り、法律上、「弁護士」はすべての法律を扱うことができます。

ですから、建前上は、弁護士は、弁理士と同じ業務を請け負うことができます(実は、「弁護士」は、法律上、税理士業務だって請け負うことができるのです。)。

ただし、特許、商標登録、意匠登録といった業務は非常に特殊ですので、依頼を受けている弁護士はほとんど見かけません。

2.「弁理士」は、「理系の司法試験」と言われた国家資格です

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弁理士試験の統計を見てみますと、近年の合格者の8割が理工系大学出身であることがわかります。

なぜ理系かというと、弁理士は、「特許」という科学技術を扱う仕事だからです。

ちなみに、私は文系(法学部)出身だったため、特許業界では非常に苦労しました。

商標専門の弁理士を目指したのには、そのような事情もあります。

ちなみに、現在の弁理士試験合格者の8割が理系と言いましたが、さらにその中の8割程度が、大学院(修士課程または博士課程)出身です。
さらに、もう少しぶっちゃけた話をしますと、近年の弁理士試験の合格者は、東大、京大、東工大の理工系の大学院卒で3割程度を占めています。
このような理系の高学歴、なおかつ研究者あがりの人たちが多い資格試験は他にないと思います。

大学で研究者をしていた方や、大手メーカーで研究開発をしている方が、第二の人生として「弁理士」という道を選ぶことが多いようです。

3.「弁理士」という職業が一般の方に馴染みが無い理由

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実は、弁理士という国家資格は明治42年からあるのですが、未だに「弁理士」という職業が一般の方に馴染みが薄い理由の一つとして、多くの弁理士が、「弁理士事務所」ではなく「特許事務所」と名乗っていることがあるかもしれません。

「弁理士ってどこにいるの?」とよく聞かれますが、結論として、多くの弁理士は、「特許事務所」を経営するか、または「特許事務所」に勤務しています。

弁理士の業務は「特許」だけでなく「商標」や「意匠」、最近では「著作権」などに関するものもあるのですが、伝統的に一番の花形業務は「特許」であるため、「特許事務所」と名乗っている弁理士が多いんですね。

そしてこの「特許事務所」がまた、よく「特許庁」と混同されるのです。「特許事務所」は、「特許庁」のようなお役所ではありません。

弁理士が経営している事務所なのです。

お客さんがお役所に特許や商標の登録の手続きをするときにそのお手伝い(代理)をして、利益を得ています。

例えば、弁護士がやっている「法律事務所」や、税理士がやっている「会計事務所」と同じようなものだと考えてください。

そしてもう一つ、多くの弁理士は大手のメーカーをメインクライアントにしているということも、弁理士が一般の方にとってマイナーな理由かもしれません。

特許や商標の登録は、もちろん中小企業や個人事業主にも関係のある制度ではありますが、件数でいうと、圧倒的に大手メーカーが多いです。

この点、弁理士の業界というのは少し特殊と言えます。

例えば、かなりやりての弁護士や税理士の先生であっても、一部上場企業の顧問をしているということはまずありません。

一方で、弁理士の場合、弁理士一人でやっている事務所であっても、メインクライアントは東証一部上場企業、ということが普通です。

私たちの事務所(アイリンク)のように、中小企業や個人事業主のクライアントが多い弁理士というのは、かなりレアといえます。

4.多くの弁理士の仕事は、まず「特許」次に「商標登録」

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私たちの事務所(アイリンク)は、商標登録が得意な弁理士が集まって作って、商標登録で日本一を目指す事務所です。

しかし、実はこういった弁理士は、あまり多くはありません。

弁理士が「特許事務所」を名乗っていることからもわかるように、弁理士の仕事といえば、まず最初に上がるのが「特許」業務なのです。

「商標登録」も件数は多いのですが、多くの弁理士にとっては、どちらかというと片手間という感じが否めないと思います。

私はたまにジョークで言っているのは、弁理士や弁護士などを例えて「士業」「侍業」などということがありますが、もし弁理士を侍に例えるのならば、長い方の刀が「特許」で短い方の刀が「商標登録」というイメージがあります。

個人的には、私は、このイメージを覆したかったという心情があります。

ですから、自分が初めて独立した時は、特許事務所ではなく、「弁理士事務所」と名付けました。また、後にこの事務所(アイリンク)を作る時も、「特許商標事務所」としています。

個人起業家が増えるにつれ、特に商標登録のニーズは、どんどん裾野が広がっています。

アイリンクには、こんな、商標登録初心者の方々にメッセージを発信していきたい、という思いがあります。

5.アイリンクの商標登録専門の弁理士ってどんな人?

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私は、独立開業以来ずっと商標登録専門ということで、事務所を経営してきました。

これは、かなり珍しいことだと思います。

多くの弁理士は特許が専門だからです。

一つの事務所の中で「商標登録担当弁理士」という方はいらっしゃいますが事務所として、商標登録専門の事務所というのはかなり珍しい。

私が商標登録専門の弁理士をやろうと思った理由はいくつかありますが、自分が起業したばかりの頃に出会った多くの起業家仲間にとっては、特許よりも需要が圧倒的に多かったということがあります。

商標登録は、実は、日本全体の件数だけで見ると、近年緩やかに下降傾向にあります。

その一方で、近年、起業家の数は非常に増えており、商標登録のお客さんの裾野は広がっていると感じています。

従来は、弁理士にとってのお客さんは、特許を出すメーカーでした。

ですから、商標登録業務についても、このメーカーからの依頼がほとんでした。

しかし、実際にお客さんと話してみると分かるのですが、メーカーのお客さんが求める商標登録のサービスと、起業家のお客さんが求める商標登録のサービスというのは、全然違うんです。

メーカーというのは基本的に大企業であり、商標登録のための予算がきっちりあります。

また、窓口も、社長と直接お話しすることは少なく、知財担当者が窓口となっています。

年に何件も商標登録するのが普通ですので、担当者の方も登録業務に慣れています。

弁理士の仕事としては、早く、確実に、強い権利を取ることが求められます。

一方で、起業家のお客様の場合は、基本的に、限られた予算の中でいかに有効にお金を使うかに頭を悩ませています。

しかも、「商標登録は初めて」という方も非常に多いです。

ですから、「登録をした方が良いということは聞くのだけれど、いま、この限られた予算の中でする必要があるのか。登録しないとどんな問題が起こるのか」といった、漠然とした不安を抱えてご相談にする方が非常に多いです。

実は、アイリンクの商標登録専門弁理士にとって、このような起業家の方からのご相談が一番の腕の見せ所と言えます。

「商標登録という難しい制度を、経営者の方に理解していたくよう、誰よりも分かりやすく説明する」のは、商標登録専門弁理士ならではのスキルです。

そもそも、商標登録とはどういう制度で、どんなメリットがあるのか。

限られた予算の中で優先的に登録すべきものはどれで、そのタイミングはいつころなのか。

登録をした後、それを自分のビジネスにどう活かすのか。

こういったご説明をしております。

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