商標登録の可否を決める審査官の横顔

商標を含む知財の占有権を認めるかどうかを審査する人たちのことを審査官と言います。

特許庁に勤める職員であり、この人たちに認めてもらわない限り、商標を登録できません。

商標登録を考えるなら、いったい審査官というのはどういう人たちなのかを知っておいて損はないでしょう。

ここでは知られざる審査官の横顔を少しだけご紹介します。

目次

審査官は意外に気さくな人が多い

商標登録できるかどうか、すべてを握っているのが審査官だと言っても過言ではありません。

と言っても審査官の胸先三寸で決まるということではありません。

厳格なルールと適切な判断基準があっての話です。

裁判官が法の番人なら、審査官はさしずめ知財制度の番人でしょうか。

裁判官が法の厳正な運用を貫くことを理想とするように、知財制度の厳正な運用を担っているのが審査官です。

こういうと、さぞや厳しくて話しの通じない堅物な人物像を思い浮かべるかもしれません。

実際は決してそうではありません。

あくまで私個人の印象ではありますが、意外に気さくな人が多いと感じています。

少なくとも、情のかけらもないような高慢なタイプでは殆ど居なくて、仕事に熱心だし、私たちに対してとても親切です。

一昔前は、上から物を言うタイプの人も多かったそうですが、私が知る限り、そのような審査官にほとんど会ったことがありません。

聞けばノウハウを教えてくれることも

知財を扱う弁理士は日常的に審査官とのやりとりを行っています。

多くはいたって事務的なものですが、たまに世間話をする機会などもあります。

そんな機会を使って商標登録についてのノウハウを聞き出すのも私たちの仕事の一環です。

当然、業務上可能な範囲についてですが、ちゃんと教えてくれる審査官が多いです。

商標登録をお考えのお客様に提供している情報の中には、そうして教えてもらったものも少なくないのです。

特許庁の審査官はもの凄く勉強されている方が多く、本当にいつも参考になります。

審査官もできれば登録したい

審査官は、商標登録が適切ではないと判断すれば拒絶する立場です。

商標登録を願う人たちにとっては敵対する側だと思っている人も少なくありません。

それは勘違いだと私は声を大にしていいたいです。

意外かもしれませんが審査官の基本的スタンスは出願された商標をできれば登録させてあげたいということにあります。

厳格な基準がありますのでダメなものはダメですが、決して拒否したいわけではないのです。

だからこそ、聞けばノウハウも親切に教えてくれるわけです。

どうしても審査官などというと商標登録の前に立ちはだかる障害のようなイメージがありますが、彼らの目的はあくまで、知財の厳正な管理と法の運用です。

知財が厳正に守られることよって私たちの自由な経済活動を促し、産業の発展に寄与するのであり、その意味で、むしろ審査官は商標登録の協力者です。

敵対するイメージのまま審査官に対応してしまうとかえってスムースな登録を阻害しかねないので注意しましょう。

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