商標登録が済んだらもう安心。商標を勝手に使われる心配はない、などと思ったら大きな間違いです。
商標登録が済んだら完了ではなく、登録ができたら次は商標の管理が始まります。
かといって、誰かが商標侵害していないかどうか日本中を調べて回るわけにもいかないでしょう。
そこで私が提言しているのが、商標の使い方に一定の基準を設けることです。
商標の使い方に一定の基準を設ける理由
商標が登録されると特許庁では登録情報を世の中に公開することになっています。
とはいえ、しょせん行政機関ですから、商標登録公報などで公開情報を告知するだけです。
いちいち見に行かなれば、その内容を知ることはできません。
普通の人は、商標登録公報などチェックしていないし、そもそもそんな情報も持っていませんから、あなたの商標が登録されているのか、そうでないかを知らないのです。
商標登録していることを知っている人のほうがむしろ少ないのですから、登録商標であることを分かっていて勝手に使うケースだけではなく、知らないまま使っている人がたくさんでてしまう可能性があります。
とはいえ、商標が使われていないか、毎日目を光らせているのも骨が折れるし、お金や時間もかかるので現実的ではありません。
そこで、商標を第三者が勝手に使うのを抑止するためのコツがあります。
それが、商標の使い方に一定の基準を設ける方法です。
使い方に基準を設けることで管理されている商標だと認知させる
商標の使い方に一定の基準を設けるとは、どういうことでしょうか。
字体、色、装飾、使うメディア、使うタイミングなど、商標を使うときはどういうときでどのよう使うか、基準を設けて統一することです。
たとえば、下の10個の名称を見てください。
この中で商標登録されているものはいくつあるでしょうか。
- 弾丸ツアー
- 着メロ
- ラジコン
- プラモデル
- ゆるキャラ
- 万歩計
- マジックテープ
- カッター
- ポリバケツ
- セロテープ
答えは10個、つまり全部です。
いずれも、うっかり使ってしまいそうですが、実際にはそれぞれ商標権者がおり、勝手に使うと商標権の侵害になります。
商標登録されていることを積極的に知ろうとしない限り、気づかないまま一般名称だと勘違いしているケースが少なくないのです。
そこで、商標の使い方に一定の基準を設けることで、使い方を統一できますので、「この商標は管理されている商標だ」と世の中に気づいてもらう効果があるのです。
商標の使い方に基準を設けることはブランディングとしてもぜひやるべき
管理されている商標だと理解してもらうことで、商標登録していることを知らなくて使ってしまうケースを予防することはできます。
もちろんそれだけではありません。
商標の使い方に一定の基準を設け、徹底することよって、同業者やライバルに認知されると同時に、お客様である消費者にもオリジナルの商標として認知してもらうやすくなります。
つまり、商標の認知を高めるブランディングの役割もあるわけで、そういった意味でも、ぜひやるべきです。