中国のスポーツメーカーが発表した新ブランドの商標がアメリカの大手スポーツメーカーのロゴ商標に瓜二つだと話題になっています。
中国の企業によるパクリ騒動はいまや珍しくないとはいえ、あまりにもそっくりなので中国国内でもさすがに非難の声が出ており、模倣されたアメリカのスポーツメーカーが法的手段に訴える事態に発展しています。
模倣の意図は明らか
模倣が疑われているのは中国の廷飛龍スポーツ傘下のNブランドが発表した新ブランドUncle Martinです。
発表が行われるや否やすぐさま「あの商標にそっくりだ」という声がネット上などでさかんに騒がれるようになりました。
あの商標とは、アメリカの大手スポーツメーカーであるアンダーアーマーのロゴ商標です。
並べてみると確かに似ています。
本家アンダーアーマーのロゴ商標は、赤地に白抜きで、アルファベットのUを上下に逆さまに合わせにしたようなシンボルマークの下にブランド名のUNDER ARMOURが配置されています。
これに対してUncle Martinの商標は、同じく赤字に白抜きで、Uを背中合わせにしたような形のシンボルの下にブランド名を配置したものです。
Uncle Martinには本家にはない草模様の飾りがあり、また、上下のUの字が重なっていないなど微妙な違いはありますが、色の配置やシンボルの基本的な造形、ブランド名の字体などが酷似しており、模倣する意図があったように見えます。
アメリカのUNDER ARMOURのロゴ
中国のUncle Martinのロゴ
中国国内でもさすがに問題になり、中国の代表的なポータルサイトである捜狐(ピンイン)が「アンダーアーマー社が商標侵害に批判声明、法的手段をとると言明」という記事を配信しました。
模倣された米メーカーが15億円の損害賠償訴訟要求
騒動を聞きつけた米アンダーアーマー側でも法的手段に出ることを検討する声明を発表していました。
そして、去る7月1日、廷飛龍スポーツとNブランドを相手に、商標権を侵害されたとして1億元(日本円で約15億4000万円)の損害賠償を求める訴えを中国の裁判所に起こしたのです。
中国国内では、模倣から脱して独自の技術、独自のブランドを世界に打ち出していこうという動きがある一方、相変わらず安易なパクリや模倣が後を絶たない現状があります。
あからさまな模倣に対して中国国内の世論も、もはや呆れ気味。
かつての成長力を失いつつある中国経済の中で、パクリ文化を脱して独自のモノづくりを進めていくことができるのか、世界が注目しています。