都民ファーストがまたもあの会社によって商標出願される

7月2日の都議選では、小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」の圧勝に終わりましたが、思わぬところから伏兵が現れました。

昨年の知事選出馬以来のキャッチフーズであり、政党名でもある“都民ファースト”が無関係な第三者によって商標出願されているのがわかったのです。

出願したのはまたあの人です。

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出願したのは大量出願で有名な会社

都民ファーストが商標として特許庁に出願されたのは今年1月4日のこと。

出願人は「ベストライセンス株式会社」です。

すでにご存じの方も多いでしょう。

ピコ太郎さんの大ヒット曲である「PPAP」や、政府と経済団体が主導した「プレミアムフライデー」などを商標出願して世間を騒がせた上田育弘氏が代表を務める会社です。

本来の権利者に無断で勝手に商標出願し、あげく、「商標権は自分にある」と主張し、本来の商標権者に商標の使用料や、無断で使った場合の損害賠償などを要求するライセンスビジネスを展開していることで知られます。

過去には「民進党」で商標出願し、同党の関係者を慌てさせた前例もあります。

日本の商標法では、商標の使用実態ではなく出願が早い側に商標の優先権を認める「先出願主義」を採用しています。

つまり、このまま、ベストライセンス社による「都民ファースト」の出願が認められ、商標登録されてしまった場合は、同党、および小池氏は、以後このフレーズをベストライセンス社に無断で使えなくなるだけでなく、損害賠償を請求される可能性もありえることになります。

都民ファーストが使えなくなる可能性低い

上田育弘氏は、今後、小池氏、および、都民ファーストの会に対して、商標の使用の差し止めや、使用料の支払いを要求するものとみられます。

これに対して、小池氏側はどのように対処すればよいのでしょうか。

結論から言うと、上田氏の要求にとりあわず、無視するのが得策です。

上田育弘氏、および、ベストライセンス社は、商標の出願日で先んじることを目的としているため、出願に必要な手数料を払わないなど、手続き上の問題があり、その出願が商標登録されることはありません。

仮に、出願料を納めたとしても、他人の商標の先取り出願は認められていないので、いずれにしても「都民ファースト」が商標登録される可能性は極めて低いと言えます。

都民ファーストは、昨年7月の都知事選に出馬したころから、小池氏が公約のキャッチフレーズとして使い始め、知事就任後も公の場で度々使用。

同年9月には、会派として「都民ファーストの会」の名称を使い始めています。

ベストライセンス社が商標出願したのは今年1月なので、すでに一般に知られている著名商標として認識されており、したがって、小池氏、および、都民ファーストの会側に使用実態があるのは明らかで、今後も使用を続けて問題ないと言えるでしょう。

上田氏の主張にはなんら正当性はないので、使用の差し止めや、使用料の要求に法的根拠はありません。無視して放っておくのが得策というわけです。

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