日本の地名や有名な企業、ブランドが中国で勝手に商標登録され問題になっています。
これは何も日本に限ったことではなく、お隣の韓国でも同様の問題が起こっているということです。
背景には中国でも吹き荒れた韓流ブームの影響もあるようです。
勝手に登録された商標は1000超
横城韓牛(ハヌフェンソン)や雪氷(ソルビン)といった韓国ではよく知られた商標が中国の業者によって勝手に商標登録される被害が相次いで報告されています。
横城は朝鮮半島中部に位置する地域で牛の名産地として知られます。横城韓牛と言えば牛肉の高級ブランドであり、日本でいったら松坂牛や神戸牛のようなものでしょうか。
雪氷は釜山(プサン)発祥のかき氷店チェーンの登録商標で、これも国内では非常に有名です。
いずれも何者かの手によって中国の商標局へ勝手に商標登録されており、韓国の企業が中国でビジネスをしようとしても商標を使えない事態が発生しています。
韓国統計庁によると、同様のケースは枚挙にいとまがなく、現在確認されているだけで、韓国企業の登録商標が中国人の手で先行登録されているケースは1000件を超えているということです。
韓国の企業が中国に進出する際に発覚することが多く、不服を申し立てても後の祭り。
裁判を起こして商標登録の不当性を主張し、登録を取り下げることも可能ですが、時間も裁判費用もかかります。
ビジネスのスピードなどを考えると、余計な手間も時間もかけたくない。
理不尽だとは思いながらも、中国の業者に商標使用料を支払って自分の商標を使用している韓国企業も多いそうです。
韓国にとって中国は世界最大の貿易相手なので死活問題
中国で韓国系企業の持つ商標をパクリ登録するケースが相次いでいる背景には、韓流ブームの影響もあるようです。
日本でも根強い人気がある韓流のアーティストやテレビドラマなどのエンターテイメント作品は中国でも大人気です。
この人気に目を付けたのが、ライセンスを取り扱うブローカーと呼ばれる中国の業者です。
中国国内で人気を集めたドラマに登場した店や商品を目ざとく見つけて商標登録するケースが多いということです。
韓国側の企業としても、韓流のエンターテイメント作品の人気から韓国の文化に興味を持ってもらって、自分たちのブランドや商品を世界に広げようという戦略があります。
この戦略は当たり、日本やアメリカなどでも韓国系企業の商品はいまや好調な売れ行きを示しています。
当然、中国でも同じようなビジネスを展開していこうとしていたわけですが、思わぬ障害が立ちはだかっている格好です。
韓国にとって中国は世界最大の貿易相手です。
輸出産業が経済の大きな柱になっている同国にとって日本以上に深刻な死活問題になっているようです。