カーアクセサリーに自動車メーカーのロゴを勝手に彫り、インターネットオークションで販売していた男が6月22日商標法違反で逮捕されました。
商標法は商標を持つ権利者の利益が侵害されたときに、商標の使用の停止や損害賠償を請求できますが、一方で刑事罰もあります。
500円で仕入れたノーブランド品が3000円に
大阪府警生活安全特捜隊などによると、男は、車の盗難を予防する警報器の革製の部位にHONDAなど自動車メーカーのロゴを勝手に彫り込み、インターネットオークションで販売した疑いが持たれています。
男は中古車販売店の従業員で、調べによると、2015年5月ごろから、500円で仕入れた市販のカーアクセサリーに機械で他社のロゴを彫り込んだうえで、3000円で販売していたということです。
男は容疑を認め、「月100個ぐらい売っていた」と話しています。
商標の権威にただ乗りは許されない
商標法は商標権を持つ権利者が、自分の財産を守るためのある法律ですが、半面で、他人の商標を勝手に使ってビジネスをするただ乗り(フリーライド)を規制する法律でもあります。
このケースでも分かる通り、500円で売っているノーブランド品の価値が、企業ロゴが入るだけで3000円に跳ね上がるのです。
しかも、月100個ほど売れていたということは結構な量になります。
オークションで3000円の偽ブランド商品を購入した人も、ノーブランド品なら500円で市販されていることは知っているはずです。
自分の好きなブランドの商品なら6倍の料金を出しても欲しい。
これがブランドの力です。
当然ながら、そこまでのブランド価値を築くのに多大な努力を費用が掛かっているものです。したがって、勝手に他者の商標を語り、名声や権威にただ乗りすることは罪が重いのです。
他人の商標を侵害した場合、個人の場合でも10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金が併せて科されます。
さらに、法人になると罰則も跳ね上がり、罰金額は3億円以下にもなるのです。