商標調査などの前段階から考えるとおおよそ次の4段階に分類できます。
1.事前準備
事前準備は、商標調査と区分の検討をするところから始まります。
商標調査とはこれから登録しようとしている商標が先に登録されていないか、似た商標はないかといったことを調べることで、区分の検討とは商標調査を踏まえてどのような分類で登録するかを検討することです。
詳しくは商標登録における事前準備とはで解説していますので参考にしてください。
商標調査と区分の検討ができたら、次のだんどりとしては、商標出願願の作成手順に移ります。
特許庁に申請する方法は複数あり、どの方式を採用するかにもよって手順は異なり、したがって、かかる期間も違ってきます。
ここではオンライン出願を例にとると、電子証明書の入手、インターネット出願ソフトの準備、申請人利用登録などを行った上で申請書を作成する手順です。
- 商標調査
- 区分の検討
- 電子証明書購入
- インターネット出願ソフト用意
- 申請人利用登録
- 申請書の作成
- 審査へ
これらの準備や手続きにかかる期間については、自分で行うとすると、かなりの時間がかかるでしょう。
商標調査や区分の検討だけでもぐずぐずやっていると1カ月、2カ月ぐらいすぐたってしまうはずです。
一方、弁理士など商標登録に慣れている専門家の場合、調査や区分の検討にかける期間はせいぜい1~2週間でしょうか。
加えて、インターネット出願などのための下準備はすでに済んでいるのでこれらの期間はかかりません。
総じていうと、自分で出願を行う場合で1ヶ月、弁理士などに依頼すれば1週間程度といったところでしょう。
2.審査期間
特許庁における商標登録の審査について、詳しくは商標登録における審査とはで解説していますのでここでは簡単に触れておきます。
商標登録の審査は、書類の不備などを調べる方式審査と、商標として登録するべきかどうかの判断を行う本審査を経て、登録査定、もしくは拒絶査定にいたります。
ちなみに、登録査定とは、商標として登録できると審査官が判断したことを知らせる通知で、拒絶査定はその逆です。
商標登録の出願を特許庁の窓口に申請して日から、通知を発送するまでをファーストアクション期間、略してFA期間と言います。
特許行政年次報告書2015年版によると、2014年度の場合で、FA期間は平均4.3か月です。
平均ですから、当然、長引くこともあれば早まることもあります。
経験上、早くて3ヶ月、遅いと半年といったところでしょうか。
3.審判期間
特許庁による審査の結果、すんなり登録査定となることばかりではありません。
商標として登録できないという査定結果になる場合もあります。
すると、拒絶査定不服審判という段階に進みます。商標登録できないという特許庁の判断が正しいのかどうか、司法の場で審理するというものです。
この審判にかかる期間が2014年度で平均7.9ヶ月です。
先の審査期間を加えると、ここまででちょうど1年です。
不服審判でも商標登録が認められず、次の段階である審決取消訴訟に進むとさらに時間がかかります。
審決取消訴訟の審判もやはり1年近くかかります。
つまり、こじれると最終的な結論ができるまで2~3年かかることもあるというわけです。
4.登録手続き期間
特許庁による審査をクリアし、登録査定が通知されたら、次の段階として登録手続きに移ります。
登録手続きは出願した人が登録手数料を支払うことによって開始されます。
新しい商標として庁内のデータベースに情報を入力したり、公開公法に掲載したりといった特許庁内の事務手続きのためおおよそ1ヶ月ほどかかります。
以上が商標登録までのおおまかなだんどりです。
まとめると、準備段階から換算し最終的に商標登録が完了するまでにかかる期間は、もっとも早くて4ヶ月、長引くと1年かかることもあります。
平均すると7~8ヶ月といったところでしょう。
実はこのほかに、審査期間を早めることができる早期審査制度があります。
詳しくは商標登録における審査を早める方法ある早期審査とはで説明していますので参考にしてください。