文字だけの商標とロゴ、両方権利取得しなくてはなりませんか

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ご質問

文字だけの商標とロゴ、両方権利取得しなくてはなりませんか?

回答

ケースバイケイースとなりますが、初めのうちは、そこまでしなくて良い場合が多いです。

(1)そもそもロゴマークとは?

このご質問へ回答する前提として、「ロゴマーク」の定義について初めにご説明したいと思います。

ロゴマークというのは、「図案化した文字」のことを言います。

ですから、文字自体が装飾文字のようになっている場合もあれば、文字自体は普通だけれど、図形と組み合わさってセットになっている場合などもあります。

このように、一言にロゴマークと言っても、色々です。

(2)広く浅い権利を取るか、強く深い権利を取るか

例えば、「☆アイリンク」のような、図形(☆)と文字(アイリンク)が組み合わさっているロゴマークの場合、権利の取得の仕方として、次の5パターンが考えられます。

  • (a) ☆アイリンクのみ
  • (b) ☆、アイリンク(別々に取る)
  • (c) ☆アイリンク、アイリンク(別々に取る)
  • (d) アイリンクのみ
  • (e) ☆のみ

これらの中で、どれがベストかを考えていくわけです。

よくあるご質問としては、(a)☆アイリンク と(d)アイリンクのみの関係です。

もし、(a)☆アイリンクのみ で権利を取得した時に、他人が「文字だけ」のアイリンクを使っていた場合、何も言えないのか?というご質問を多くいただきます。

これは、非常に難しい判断となります。

多くの場合、「☆アイリンク」は「アイリンク」と類似関係にあると考えられますので、「☆アイリンク」で商標登録しておけば、文字のみの「アイリンク」にも権利が及びます。

しかし、「絶対」とは言えません。

例えば、「アイリンク」の部分が、比較的ありきたりな言葉であるような場合は、特徴的なのは「☆」の部分ですので、文字だけの「アイリンク」には権利が及ばないという可能性もあります。

(a)の「☆アイリンク」のような権利の取り方は、いわば、☆とアイリンクそれぞれに対して広く浅い権利を取得する商標登録の仕方と言えます。

一方、☆とアイリンクを別々に商標登録する方法は、狭く強い権利を取得する商標登録の方法と言えます。

(3)コストパフォーマンスも大事

「☆アイリンク」のような、図形(☆)と文字(アイリンク)が組み合わさっているロゴマークの場合、最も手厚い権利の取り方は、「☆」と「アイリンク」をそれぞれ別の商標として登録する方法です。

もし、「☆」の図形が特徴的なものだったり、「☆」部分が単体でお客さんに認知されているような場合であれば、このように別々で商標登録するのが良いでしょう。

しかし、別々に商標登録する場合は、当然、2件分の費用がかかります。

したがって、もし、☆部分が現状ではそれほどお客さんに認知されていないということであれば、「☆アイリンク」と一まとめにして商標登録するのは良い方法です。

この方法ですと、商標登録は1件で済みますので、コストパフォーマンスが高いためです。

(3)思い切ってロゴを捨てるという手も

ロゴは作ったけれどそれほど頻繁には使わないという場合、あるいは、ロゴは今後変わるかもしれないという場合などは、いっその事、文字のみで商標登録するという手もオススメです。

そのロゴがよほど有名にならない限りは、ロゴの認知度というのは、単純な文字列よりも劣るケースが多いです。

まずは、文字の権利を磐石にすることが優先順位が高いことが多いと思われます。

(4)必ずしも初めから完璧な権利を取る必要はありません

中小企業や個人事業主の場合、商標登録にかけられる予算というのは、極めて限られているかと思います。

確かに商標登録は重要な制度ですが、これを最優先して、最初から完璧な権利を目指す必要はありません。

むしろ、大企業であっても、初めは文字のみで商標登録し、次にロゴで商標登録し、というように順を追って商標登録していく場合もあります。

そのとき、どの商標を優先的に商標登録したら良いか、ということは、かなり難しい問題ですので、商標専門のアイリンクの弁理士にぜひご相談いただければと思います。

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