特許庁に商標登録を申請し、審査の結果、最終的に商標登録を認められないという判断を特許庁が下すことを拒絶査定と言います。
いったん商標登録をあきらめ、新たな商標での登録を目指すのもの一つの道です。
それでもどうしてもあきらめ切れない場合、まだ手段があります。
不服審判の成功率は70%
拒絶査定にどうしても納得できない場合、裁判に訴えることになります。
一口に裁判といっても双方で弁護士を立てて争うような仰々しいものではなく、特許庁の審査が法的に妥当かどうか司法の場で判断してもらうというものです。
費用も一般の裁判のような高額なものではありません。
商標登録の審査における一つの過程であり、言ってみれば延長戦のようなものです。
何より、拒絶査定不服審判の請求成立率、つまり、特許庁の判断がひっくり返されて登録が認められる率は年度によっても異なりますが平均すると約70%と意外なほど高確立です。
拒絶査定がくるとあきらめてしまうケースも多いのですが、裁判は私たちに認められた権利です。
審査に納得できないなら積極的に活用すべきでしょう。
不服審判の段取り
段取りとしては、まず拒絶査定に対する不服審判を請求することになります。
査定が本当に正しかったかどうか、法令の解釈と適用、事実の認定を見直すものです。
拒絶査定が届いてから3月以内に不服審判を請求することができます。
不服審判の審理方式は基本的には書面審理によって行われます。
ただし、裁判長が必要と認めるときは口頭審理を行うこともでき、また、関係者を呼んで尋問することもあります。
審判の結果、拒絶査定に当たらないという結論になったとき、審決は主に2通りに分かれます。
一つは、特許庁の査定を取り消すことです。
この場合、特許庁内でもう一度審査をやり直すことになります。
もう一つは、商標として登録できるかどうか審判の中で審理する方法です。
どちらを選択するかは裁判長の判断に委ねられます。
どうしてもあきらめきれないときの最終手段
不服審判の結果、それでも訴えが認められなかった場合、まだ手はあります。
次のステップとしては、審決取消訴訟に進みます。
裁決取消訴訟とは不服審判の決定に対して不服を申し立てるもので、知的財産高等裁判所にのみ訴えることができます。
不服審判の審決を覆す必要があるので、素人ではまず太刀打ちできません。
弁護士か弁理士に依頼することになります。
主張を通すための高度な知識とテクニックが求められ、時間もかかるし費用も高額になります。
どうしても商標登録をあきらめられないときの最終手段と言えるでしょう。