キューピー人形で有名なマヨネーズメーカーのキユーピー。
正しい商標は、「キューピー」ではなくて「キユーピー」であることはご存知でしょうか。
今回はキユーピーがいかにして「キユーピー」になったのか、その歴史と共に紐解いていきましょう。
洋食の流行がマヨネーズ普及の追い風に
キユーピーの母体は現在の中島董商店です。
会社設立のきっかけになったのは、創設者の中島董一郎が、1912年から公務で米国に滞在していたことに遡ります。
中島は、アメリカ人が野菜などにマヨネーズをつけて食べているのを見て、これならば慢性的な栄養不足に悩まされている当時の日本人の食生活の改善にぴったりだと思いました。
中島は帰国後すぐにマヨネーズの国産化に取り組みました。
しかし、当時はまだ、ほとんどの家庭が和服を着て和食を食べている時代であり、マヨネーズを使う場面など無いに等しかった為、製造を延期せざるを得ませんでした。
日本の洋風化が急激にすすんだのは関東大震災後です。
このころ、中島はようやくマヨネーズの国産化を再開することができました。
太平洋戦争による一時的な中断などもありながら、マヨネーズの普及が徐々に進み、中島董商店は順調に成長。
戦後、すっかり洋食が日本の過程に浸透。
会社の地位も安泰になりました。
そして、1957年に社名をキユーピー株式会社に変更しました。
キューピー人形がロゴマーク
現在は有名なマヨネーズのほかにも様々な食品、調味料、業務用製品も手がけています。
「キューピー」ではなく「キユーピー」と表記するようになった理由についてですが、キユーピー側では、デザイン上の理由であるとしています。
したがって、読み方は「キューピー」です。
ロゴマークの由来はお馴染みのキューピーちゃん人形です。
もともとはキューピッドをモチーフとしたアメリカのキャラクターでした。
良く見ると背中に小さな羽が生えています。
ちなみに、イスラム圏では、キユーピーが天使(イスラム教の禁忌である偶像崇拝)と誤解されないために、2013年から羽のないキユーピーが描かれているそうです。
社名やロゴマークに「キューピー人形」をつけたのは中島の大学の先輩のアドバイスによるもので、「キューピー人形のように誰からも愛されるように」との願いが込められています。
他にもキューピッドのキャラクターを商品のロゴに使用している企業は多いですが、社名ごとモチーフにしているのはキユーピーだけでしょう。