電子計算機を世界ではじめて量産したカシオ計算機株式会社。
現在は計算機だけでなく、時計などの生産も行なっています。
今回は、カシオの社名の由来を、その歴史とも照らし合わせて考えていこうと思います。
社名は創業者の名前から
1946年に樫尾忠雄が東京都三鷹市に樫尾製作所を設立します。
機械式計算機が主流だった時期に歯車などの機械的な機構を使わずに演算素子に継電器を使った小型準電気式計算機の試作機を完成させます。
1957年には 商用機「14-A」を世界で初めて開発します。
この開発に携わった忠雄・俊雄・和雄・幸雄の樫尾四兄弟によってカシオ計算機が設立され、初代社長は四兄弟の父親である茂が就任しました。
創業者兄弟の名字「樫尾」をローマ字で書けば「KASHIO」ですが、これを英語風の「CASIO」としたのは、世界で親しまれる企業になるという目標があったためです。
実際、日本以外の地域ではカシオ計算機のことを日本企業と思っていない人も多いそう。
特にイタリアの企業と間違われやすいです。
イタリアの名子役サルヴァトーレ・カシオ(ニューシネマパラダイスの主演男優)がカシオのCMに起用されたことがあるからでしょうか。
ブランドイメージ
社是は「創造、貢献」で、これは「世の中になかったものを創造することによって社会に貢献する」という意味だそうです。
1972年に発売されて大ヒットした計算機「カシオミニ」は、12800円で販売され、後継シリーズを合わせても累計1000万台以上売れるという爆発的なヒットを記録します。
この「カシオミニ」で顕著だった大胆な価格設定と割り切ったスペックで、「どこでも簡単に使える」といった新しい切り口の製品を発売し、時には新しい商品分野のブームの端緒となるようなヒット商品を作ることもありました。
こういったブランドイメージは、一般人にも浸透しています。
たとえば、糸井重里の萬流コピー塾において、「ワープロ」へのお題の投稿で「今買うな、カシオがきっと、何かやる」が(松) の評価をとったことがありました。
また、パソコン雑誌『PC-WAVE』では、「目の付け所がカシオ」(シャープの宣伝コピー「目の付け所がシャープでしょ」のパロディ)といった表現が掲載されたことがありました。
ぶれない商品開発・発売への姿勢と飽くなき探求心は、カシオの社是「創造と貢献」を忠実に守っており、これからも世の中に無かったものを創造していくことでしょう。