トマトケチャップと言えばカゴメです。
社名の由来はロゴマークにあります。
カゴメがいかにしてカゴメになったのでしょうか。
今回はカゴメのロゴマークと社名の由来について歴史を振り返りつつ追ってみましょう。
創業の歴史は明治・大正まで遡る
創業者の蟹江一太郎が1899年に名古屋の農業試験場の佐藤杉右衛門からトマトの種子を譲り受けてトマトの栽培を開始したことがカゴメの始まりだと言われています。
当初はトマト栽培をする農家としてスタートしたのです。
ところが、栽培を始めて数年後、トマトが豊作で売れ残りが大量に出てしまったのです。
そこで、ダブついたトマトの保存を兼ねて国産トマトソースの製造に踏み切ります。
幾度となく失敗を重ね、1903年に国産トマトソースの製造に成功すると順調に売上を上げるようになりました。
1906年に愛知県東海市の自宅の裏に工場を竣工し本格的トマトソースの製造を開始。
その後1909年にはトマトケチャップとウスターソースを製造し、ソースメーカーとして飛躍していきます。
1914年には農家からメーカーに転身し、愛知トマトソース製造合資会社を設立。
1923年には株式会社化し「愛知トマトソース製造株式会社」に改称します。
トマト加工事業では国内最大手としてその名を知られており、1933年に国内初のトマトジュースを発売、同社の根幹を支える製品として、現在に至るまで発売され続けています。
1966年にはガラス瓶ではなく樹脂製チューブに入れたトマトケチャップを世界で最初に発売しました。
ロゴが先に決まった、変わった企業
創業者の蟹江一太郎は陸軍を現役除隊する際に、上官から「農業をやるなら洋野菜をやりなさい」と助言を受けます。
これが当時まだ珍しかったトマト作りを開始するきっかけになるのでした。
その恩を忘れないために蟹江は陸軍の象徴である五芒星を商標として使おうと考えました。
ですが、陸軍を連想させるため五芒星を商標として使用することは許されませんでした。
現在でも、国や公的機関を連想させるマークは商標として登録できません。この規定にひっかかったものと思われます。
そこで、一画多い六角の星に改変したものの「星型はだめ」という理由でまたまた却下されました。
しかたなく、三角形を二つ組み合わせ六芒星にすることで、収穫時に使う籠を編んだときの目(籠目)印であるという言い訳を考案し、やっと商標としての使用が認められます。
最初にロゴマークが決まり、籠目からカゴメになったわけです。
1963年(昭和38年)には、社名もカゴメに改称し、商標は籠目のついたトマトマークとなりました。
1983年(昭和58年)に、いったん商標から籠目とトマトマークが姿を消しますが、2003年からのロゴには再びトマトが描かれています。
ロゴの黄色は「光・果実」、緑は「自然・野菜・さわやかさ・やすらぎ」赤は「太陽・トマト・エネルギー」を象徴しているそうです。
社名の由来としてよく言われるのが、こども遊びの歌、「かごめかごめ」からとられたとの説ですが、これはまったくの誤解だそうです。
ちなみに、カゴメの社内にはカゴメジュースの商品が入った冷蔵庫があり、社員は無料で飲むことができるそうです。