美を含む商標

「美」1字だけの登録が6件

化粧品として登録されている商標の中で、「美」一字を含む商標として検索をかけてみると23件の登録があります。

美白や美顔、美フェイスなどの組み合わせで商標登録しているケースが多いものの、「美」一字だけで登録しているケースは6件ありました。

このうち、2件の商標を持っている日興製薬は岐阜県に本社を置く医薬品メーカーで、調べた限りでは、「美」に相当する商品は現在扱っていない様子。

また、「キム・ジョングォン」という人が個人で商標登録しているものは、化粧品全般として幅広い範囲で商標登録しているものの、詳細は不明。

名前からすると韓国の方のようですが。

残りの3つが化粧品メーカーの持っている商標です。

化粧品として美を商標として使っている例

１つめは、東京都千代田区に本社がある日本化粧品という会社が持っています。

この会社はブランド名を「北原美顔」といい、ここから「美」の文字を図案化したものを企業ロゴとして使っているようです。

日本化粧品

２つめは、東京都新宿に本社があるビューティームという化粧品メーカー。

この会社ではいまビオサプ（bio Suppu）というブランドに力を入れているようで、商標登録しているキャラクタータイプの商標は見当たりませんでした。

ビューティーム

最後は、沖縄県に本社があるちゅららという自然派コスメの製造販売会社が持っている商標です。

美という商標は、同社のブランドロゴであり、ほとんどの商品にプリントされています。

ちゅらら

「美美」で商標出願したケース

以上、「美」一字だけでは商標登録できないので6件いずれもともロゴとしての商標登録です。

そこで、美を二つ並べて「美美」で商標出願した人がいます。

ロゴではなく文字のみの商標で、ナヴィスという会社が2015年8月3日に出願していますが、一年以上たった2016年12月15日現在は審査中。まだ登録されていません。

美顔は老舗化粧品メーカーが商標を登録

次に、美白、美顔、美人など、化粧品の商標として使われそうな単語を調べてみました。

いずれも一般名称化していると思われ、美白○○、○○美人など、ほかの単語との組み合わせになっていますが、一つだけ「美顔」のみで登録されている例がありました。

化粧品として「美顔」の商標を持っているのは明治時代創業で、化粧品の老舗メーカーである桃谷順天館。

最初に商標として美顔を登録したのは、なんと大正2年（1913年）12月27日。

そこから延々更新し続けているわけです。

商標登録したころは、おそらく美顔という言葉はなかったはずで、同社が創作した造語と思われますが、さすがにそろそろ一般名称化してもよさそうな気がします。

桃谷順天館

美白は1字違いなら登録可能

美白については、さすがにこの2文字だけの登録はありませんでしたが、1字違いの「美粕」、「美箔」がありました。

「美粕」は、再び登場、桃谷順天館が持つ商標です。

一方の「美箔」は、御木本製薬が持つ商標です。

真珠で有名なミキモトグループの医薬品・化粧品メーカーで、やはり歴史が古く、創業は昭和18年です。

MIKIMOTO COSMETICS

美人は地名との組み合わせでOK

「美人」についても、2文字単独の商標はありません。そんな中で目に留まったのが、「地名＋美人」の組み合わせです。

鎌倉美人、東京美人、日本美人まで、意外にたくさん登録されています。

最後に、最近でてきた言葉で婚活や妊活など「○○活」にかけて、「美活」で登録できるかどうか調べてみました。

するともうすでに、化粧品大手の資生堂が「美活」で商標登録済みでした。

しかも出願は平成７年（1995）3月8日。

「○○活」という言葉が就職活動を「就活」と略すことから生まれた用法ですが、1990年代はまだそれほど一般的ではなかったはずです。

さすがに、目を付けるのが早い。

資生堂グループ