東京都の地域ブランド江戸からかみは、江戸からかみ協同組合により平成19年(2007)12月21日、地域団体商標に登録されました。
「からかみ」は漢字で「唐紙」と書きます。
紙に様々な文様をほどこしたもので、唐から伝わった「紋唐紙」を手本に、和紙に模様をほどこしたのが日本のからかみのスタートです。
東京都の地域ブランド江戸からかみとは
からかみは、京都を中心とする京からかみと、江戸を中心とする江戸からかみに大きく分類されます。
仏教文化が色濃く反映し、経典などに使われる伝統的な模様が多い京からかみに対し、町人文化の発達した江戸で作られた江戸からかみは自由な発想で描かれた文様が特徴です。
文様を彫刻した原版を使う方法、型紙を使う捺染摺り、色のついた粉末を手でふりまく手法など、様々な技法があります。
とくに、江戸からかみは模様をつけるための技法が多彩で、その技術の高さから、平成4年(1992)8月東京都の伝統工芸品に指定され、平成11年(1999)5月には経済産業大臣より伝統的工芸品に指定されています。
東京都の江戸からかみの歴史
からかみはもともと、仏教の経典を書く紙としてや、和歌をしたためる台紙などとして使っていましたが、中世ころになると、屏風や襖、壁紙などとして使われるようになりました。
もともとは、京都が本場でしたが、江戸幕府が開かれると急激な人口増加によって、あらゆる資材の需要が急増しました。
その結果、京都の唐紙師(からかみし=からかみを作る職人)もビジネスチャンスを求めて江戸に移住し、やがて江戸の中で技法や文様が独自に発達していったのです。
「江戸からかみ」とは、江戸でつくられた「からかみ」の呼称で、はじめは「地唐紙(じからかみ)」とよばれていました。
「江戸からかみ」と呼ばれるようになったのは幕末のころといわれています。
江戸開府から90年ほどたった元禄2年(1689)には、北は浅草から南は新橋までの地域に13軒の唐紙師の名匠がいたことが記録に残されています。
しかし製紙産業の発達によって工業化が進み、手作りのからかみは衰退しました。
現在、江戸からかみは、東京都を中心に千葉県柏市、埼玉県加須市、鳩ヶ谷市、小川町などに点在していますが、工房も職人数もごく限られてしまっています。
そこで、江戸からかみの伝統を守るため、製造販売業者13人が平成4年に任意団体「江戸からかみ振興会」を結成し、技術の継承と普及そして啓もうを図りました。
これが現在の江戸からかみ協同組合の前身になります。
参考:
東京松屋
東京都伝統工芸
東京都中小企業団体中央会
江戸からかみの商標登録の状況
登録日 | 平成19年(2007)12月21日 |
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出願日 | 平成18年(2006)11月28日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)5月23日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)12月21日 |
商標 | 江戸からかみ(標準文字商標) |
称呼 | エドカラカミ,エドカラ |
権利者 | 江戸からかみ協同組合 |
区分数 | 1 |
第16分類 | 東京都・千葉県柏市・埼玉県加須市・埼玉県鳩ヶ谷市・埼玉県比企郡小川町で生産された襖・壁・天井・障子・屏風用の加飾された和紙【類似群コード】25A01 |