愛知県の地域ブランド 「名古屋仏壇」

愛知県の地域団体商標である名古屋仏壇は、平成19年(2007)12月に商標登録されました。

商標を出願したのは名古屋仏壇商協同組合(愛知県名古屋市中区橘一丁目14番15号)と名古屋仏壇商工協同組合(愛知県名古屋市中区橘一丁目14番15号)の連名です。

名古屋仏壇は、名古屋市だけではなく、一宮市、北名古屋市、稲沢市、弥富市、愛西市など広範な地域で生産されています。

目次

愛知県の地域ブランド名古屋仏壇とは

名古屋仏壇の3つの特徴

1つめの特徴は、台の部分を一段高くする「まくり」と呼ばれる構造を備えていることです。

濃尾平野を流れる木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)が度々氾濫していたことから、仏壇を水害から守るための工夫として発達したもので、現在は仏具の収納場所としても活用されています。

2つめの特徴は、宮殿御坊造という豪華な構造です。

宮殿御坊とは、宮大工や寺大工が使う特殊な技術です。

3つめの特徴は、部位ごとに専門性を極めた「八職」(実際には十一職)と呼ばれる職人が携わっていることです。

八職とは、木地師、荘厳師、彫刻師、塗り師、蒔絵師、外金物師、内金物師、箔置き師の八部門のことですが、実際には、天井師、呂色師、仕組師を合わせた11部門の職人がそれぞれの部位を専門に担当しています。

名古屋仏壇の3つの定義

名古屋仏壇商工組合員が定める名古屋仏壇の定義は以下の通りです。

1.名古屋仏壇の特徴である全行程9職「木地(天井)」「屋根」「彫刻」「塗り(呂食)」「内金物」「表金物」「蒔絵」「箔置」「仕組」のうち、名古屋仏壇商工組合員が5職以上たずさわっているもの、またたは、全行程の過半数以上の職種がたずさわっているもの。

2.組合内ブランド委員会へ申請し、審査確確認・認定されたもの。

3.認定番号入りの認定証紙を仏壇に貼付けること。

名古屋仏壇は、昭和51年12月15日、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づき、経済産業大臣が指定する「伝統的工芸品」に指定されています。

愛知県の地域ブランド名古屋仏壇の由来

名古屋仏壇の発祥は、元禄八年(1695年)に高木仁右ヱ門が開店した仏壇専門店「ひろや」だと言われています。

良質な桧の産地として知られる木曽に近く、また、大阪や京、江戸など大都市に輸送する木材の集散地となっていた名古屋地域は、仏壇造りに適した材料手に入りやすい上に、大工や寺大工などの職人が多く住んでいたことから、仏壇造りがもともと盛んだったようです。

尾張藩が産業政策の一環で仏壇業者の保護に取り組んだことも、名古屋地域で仏壇生産が盛んになった一因とされます。

現在では仏壇製造業者は地域に70件以上あり、また、仏壇仏具関連の販売店は200社を数えており、仏具関連産業の集積地として日本有数の規模となっています。

愛知県の地域ブランド名古屋仏壇の製造工程

名古屋仏壇の特徴である製造工程は、八職と呼ばれる専門の職人がそれぞれの部位を担当して行われるもので、職人技の結集と言えます。

八職とは、それぞれ次のようなものです。

1.木地師

仏壇の本体の製作を担当。仏壇は釘や接着材を使わず、ホゾ組という技法で造られます。

2.荘厳師

仏壇の飾り「荘厳」の製作を担当。仏壇建築を凝集したもので、仏壇の顔であり、名古屋仏壇らしい豪華なつくりになっています。

3.彫刻師

すかし部分などの彫刻を担当します。名古屋仏壇だけのオリジナルである「三ツ切り欄間」と「桝合彫刻」などの組み合わせが特徴的です。

4.天井師

天井面だけを担当する職人です。名古屋仏壇の天井は、大きな格子の中に小さな格子を複雑に組込んだ精緻なものです。

5.塗り師

漆塗り専門の職人です。黒塗り、朱塗り、溜塗りなどがあります。

6.外金物師

仏壇の外側を飾る金具を担当です。

7.内金物師

仏壇の内側を飾る金具を担当します。同じ金具でも、内側と外側では職人が違うのです。

8.蒔絵師

その名の通り蒔絵担当です。金粉や貝、漆などを使って豪華な絵巻を政策します。

9.箔置き師

金箔を張りつける専門の職人です。

10.呂色師

名古屋仏壇の特徴的な呂色を作りだす専門の漆塗り職人です。

11.仕組師

各職任が製作した部品を組み上げる担当です。

参考:
名古屋仏壇公式サイト
愛知県産業振興課

名古屋仏壇の商標登録の状況

登録日 平成19年(2007)12月14日
出願日 平成18年(2006)9月4日
先願権発生日 平成18年(2006)9月4日
存続期間満了日 平成29年(2017)12月14日
商標 名古屋仏壇(標準文字商標)
称呼 ナゴヤブツダン
権利者 名古屋仏壇商協同組合、名古屋仏壇商工協同組合
第20分類 名古屋市・旧岡崎市(平成18年1月1日合併以前)・旧一宮市(平成17年4月1日合併以前)・瀬戸市・半田市・春日井市・津島市・安城市・西尾市・犬山市・常滑市・江南市・旧尾西市(現一宮市)・小牧市・旧稲沢市(平成17年4月1日合併以前)・東海市・大府市・知多市・知立市・尾張旭市・岩倉市・豊明市・旧西春日井郡師勝町(現北名古屋市)・丹羽郡扶桑町・旧葉栗郡木曽川町(現一宮市)・旧中島郡祖父江町及び平和町(現稲沢市)・海部郡七宝町・美和町・甚目寺町・蟹江町・旧弥富町(現弥富市)・旧佐織町及び八開村(現愛西市)・知多郡東浦町及び武豊町で製造された仏壇【類似群コード】20F01
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