インテルはアメリカ・カリフォルニア州に本社がある世界最大の半導体メーカーです。
1968年の設立ながら、1980年代にはすでに半導体・CPUの市場で世界シェアトップを独走し続けています。
日本では、“インテル、入っている”のフレーズで知られるようになりました。
いまでは世界中で知られるブランドになりましたが、実は、当初、二人の創業者が考えていた社名はインテルではなかったのです。
創立者の娘が発案した社名
社名の語源は、集積電子工学、あるいは、集積されたエレクトロニクスを意味する「Integrated Electronics(インテグレーテッド・エレクトロニクス)」です。
それぞれ頭の数文字ずつを取り、Int+ElでIntel(インテル)としたものです。
半導体メーカーとして世界的なメーカーになった同社にふさわしい商標です。
しかし、当初、創業者のゴードン・ムーア(Gordon Moore)とロバート・ノイス(Robert Noyce)は自分たちのラストネームをつなげて「Moorenoyce」という社名にしようと考えていました。
ところが、いざ社名を登記しようとしたところ、すでに同盟の会社が先に登記されていたのです。
「Moorenoyce」の英語の発音が「モア・ノイズ(よりノイズを)」と似ており、半導体メーカ―社名としてふさわしくなかったという説もあります。
いずれにしても、新しい社名を考えなければなりません。
困った2人は、ノイスの娘が提案した「インテル」という社名を採用することにしたのです。
インテル・インサイドキャンペーンを発案したのは日本人だった
ところで、インテルを一躍有名にした「インテル、入っている」というブランドキャンペーンについて、こんな話があります。
日本だけでなく、「インテル・インサイド(Intel Inside)」キャンペーンとして世界中で展開されていました。
実はこのキャンペーン、日本人が考えたものだったのです。
キャンペーンが始まった1990年代当時、米国インテルは「The Computer Inside(ザ・コンピューター・インサイド」というキャンペーンを欧米で展開していました。
本来は世界共通のキャンペーンを展開するところ、このとき日本法人は独自に「Intel in it(インテル・イン・イット=インテル、入ってる)」キャンペーンを提案していました。
これが特例として承認・実施され、当初は日本国内だけで“インテル、入ってる”のキャッチコピーを実施。
あくまで日本だけの特例だったものの、あまりに反響が非常によいことから、後にインテルは戦略変更を行い、「Intel Inside(インテル・インサイド)」を世界共通のコンセプトとしてブランディングを展開するに至ったのです。