最近では中小企業や個人でも気軽にウェブサイトが持てるようになりました。
サイトの利用方法はブランディングや集客、ネット通販など様々あると思いますが、多くの人がウェブサイト上で独自商標を使っていると思います。
実際、最近は「ウェブサイトで使っている名称やキャッチフレーズなどを商標登録できるでしょうか」といった問い合わせが増えました。
そこで今回は、ウェブサイトならではの注意点などについて解説したいと思います。
サイトで使用している商標は、一度登録を検討すべきかもしれません
ウェブサイトで使うことの多い商標としては、下記のような「ウェブサイト名」があります。
- 「○○本舗」
- 「●●市場」
また、下記のような「サービス名」もあります。
- 「○○便利サービス」
- 「●●のお悩み解決隊」
下記のような「キャッチフレーズ」もあります。
- 「掟破りの超安」
- 「品ぞろえ世界一の●●堂」
結論から言うと、ウェブサイト名、サービス名、キャッチフレーズは、商標登録を検討すべきかもしれません。
その理由を、下記に申し述べます。
商標登録しておいた方が安心
ウェブサイトで使用している商標を登録しなかった場合、どうなるのでしょうか。
最大のリスクは第三者によって商標登録されてしまうことです。
仮に、自分が使っている商標を第三者が先に商標登録してしまった場合、本来は自分のオリジナルの商標であっても利用できなくなります。
そのような事態になった場合、以下の3つの対応が考えられます。
- 商標権を獲得した第三者にライセンス料を支払って継続使用する
- 商標権を獲得した第三者から商標を買い取る
- 商標を放棄し、新たな商標でサイトすべてを作りかえる
1、2の場合は商標をそのまま継続使用できますが、自分が考えたオリジナルの商標なのにお金を払わなければなりません。
また仮に、こちらに払う用意があっても、第三者がライセンスの使用や買い取りに応じなければ、商標を使うことすらできないのです。
さらに、3になると、自分で考案した商標を放棄するだけではなく、同時に、その商標によって築いた信用や知名度などのすべてを失った上で、サイトのリニューアル費用なども加算されることになります。
まことに理不尽な話ですが、商標法という法律の性質上、このような事態も起こり得ることは事実です。
したがって、少し面倒でも自分が考えた大切な商標を守るために、商標登録しておくことが賢明です。
忘れがちですが、意外と重要なドメインの商標登録
サイト運用における商標登録の問題について、もっとも重要なポイントについてあえてここまでお話しませんでした。
その重要なポイントとは、ドメイン名です。
ウェブサイトには「~.com」、「~.jp」などのドメインがありますが、ドメインとしての商標登録も可能です。
ドメイン名そのものは、インターネット上の住所のようなものなので、商標として登録するメリットは高くないように思えるかもしれません。
しかし、実はそこが落とし穴で、ドメインを登録していないと問題になる場合があります。
なぜなら、まったく無関係な第三者が、仮にあなたのドメインを勝手に商標登録してしまった場合、最悪、ドメインそのものが使えなくなる可能姓があるからです。
ドメインが使えなくなれば、「お気に入り」に登録してもらっているユーザーのすべてを失うことになりかねません。
仮に、新たなドメインを取得して既存ユーザーに引っ越し先の情報を提供するなどすれば、ある程度のユーザーを確保はできるでしょう。
けれども、非常に労力がかかる上に、取りこぼしも相当数に上ると考えられます。
加えて、検索エンジンの評価も落ちてしまい検索順位が下がることも避けられません。
一般的には、ドメインの商標登録まで考えているケースは稀です。
しかし、実際にはこれだけのリスクがあるのです。
ウェブサイトを運営する場合には、ドメインの商標登録も検討した方が良いかもしれません。