任天堂が異議を訴えていたマリカーの商標登録は有効と判定

ゲームのキャラクターの扮装のまま公道をカートで走る演出を売りにしているレンタルサービス会社に対し、ゲームのキャラクターを生んだ任天堂が、著作権の侵害によって損害を被ったと訴えている件が話題になりました。

この件に関連し、任天堂はレンタルサービス会社が商標出願登録した社名「マリカー」についても商標登録に異議を申し立てていたものの、今年1月までに棄却されていたことがわかりました。

目次

マリカーはマリオカートの略称として商標登録無効を訴え

キャラクターの扮装のまま公道をカートで走るという、任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の世界観を疑似体験できるとして人気のカートレンタルサービスを行っていたのは都内の会社、その名もマリカーです。

任天堂が今年2月、マリカーが客にスーパーマリオのキャラクターの扮装をさせてカートで走らせ、その様子を撮影した動画や写真を広告や営業に使ったのは著作権の侵害だとして、同社を相手に損害賠償を訴えた件はすでに別の記事で書きました。
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このとき、任天堂はすでに、マリカーが商標登録した自社の社名「マリカー」についても、特許庁に異議を申し立てていたものです。

任天堂が商標登録しているのはマリオカートで、マリカーでは商標登録していません。

とはいえ、マリカーという商標はマリオカートの略称として広まっていたとして、商標登録の無効を訴えたのです。

特許庁の決定受けて損害賠償裁判に訴えた

マリカーが商標登録されたのは2016年6月24日。

するとすかさず、任天堂は2016年9月26日に不服審判を申し立てました。

年をまたいで審議が続いていましたが、特許庁は1月26日、任天堂側の異議を退ける判断を下しました。

マリカーの商標がマリオカートの略称として使われていたのは事実だとしても、広く普及していたとまではいえないと特許庁は判断したものです。

任天堂側はこの決定を不服として知財高裁への上訴を検討しているようです。

著作権侵害の損害賠償を行ったのは2月24日なので、任天堂は特許庁の決定を受けて、著作権侵害の裁判に打って出たというわけです。

任天堂はキャラクタービジネスやライセンスビジネスで多くの収益を上げているだけに、法務部門の陣容は厚く、知財の扱いも慣れているものと思われます。

それだけに、ネット上では、任天堂側が圧倒的に有利と見る傾向があります。

ところが、今回、商標登録の異議が棄却されたことがわかり、さっそく一敗地に塗れた任天堂。

著作権の侵害についても両者の意見は食い違っているなど、どうもこの問題は一筋縄ではいかなさそうです。

参考
YOMIURI ONLINE「マリカー」商標止められず、任天堂の異議却下
ITmediaニュース 「マリカー」商標への任天堂の異議申し立て、棄却されていた
「マリカー」商標への任天堂の異議申し立て、棄却されていた

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