紀州うすい、この商標をもつブランドの正体がかわかる人は、関西出身のようです。
答えを先に言うと、和歌山県の農業協同組合連合会傘下の組合員が生産している「えんどう豆」のこと。
普通のえんどう豆(グリーンピース)よりも一回り大きく、色が濃くて味も抜群と言われます。
西日本ではおなじみの野菜ですが、生産量が限られるため、主に関西地域しか出回らないようです。
そういわれると、関東や東北出身の人たちは、いったいどんなものなのか、気になります。
和歌山県の紀州うすいとは
紀州うすいとは、和歌山県産の“うすいえんどう”というえんどう豆の一種。
一般的に、えんどう豆というと鞘ごと食べる“さやえんどう”と、さやえんどうの実が丸く成ったグリーンピースを思い浮かべると思います。
紀州うすいは、グリーンピースと同じく、実を食べる種類ですが、皮は薄く、粒が大きくて、甘みもあってホクホクとした食感が特徴です。
グリーンピースが苦手な人がいやがる特有の青臭さがなく、その点は、グリーンピースとはだいぶ違うそうです。
豆ごはん卵とじにして食べるのが関西の春の食卓の定番で、その他、緑色が鮮やかなので、いろいろな料理の彩として使われることが多いとのこと。
ちなみに、改めて鞘えんどうとグリーンピース、うすいえんどうの違いを整理しておくと、みなすべて「えんどう豆」に属し、品種の違いから呼び分けられています。
和歌山県の紀州うすいの歴史
紀州うすいの由来は意外な地域
和歌山県の紀州うすいは、最初から和歌山県で育てられていたものではありません。
日本で栽培が始まったのは、明治時代のこと。
アメリカと通商条約を交わしたことから、日米の交流が生まれ、それまでほとんど国内になかった北米産品の物資が渡来するようになり、その中の一つとしてうすいえんどうが流入してきました。
うすいえんどうの種子を誰が持ってきたかは不明ですが、最初に栽培されたのは、大阪府の羽曳野市碓井地区だったことがわかっています。
ここで気付いた方もいると思います。
うすいえんどうの「うすい」という名称の由来は、最初に栽培された地名、大阪の「碓井」からきているのです。
昭和の初期、大阪よりも温暖な気候で、作物が育てやすい和歌山県の県南地区で栽培されるようになって大きく発展。
いつの間にか、和歌山県がうすいえんどうの一大産地になりました。
平成25年の数字で、うすいえんどうの収穫量は2730トン、全国シェアの4割をしめ、もちろん圧倒的な首位。
さらに、さやえんどうの収穫量でも全国4位です。
えんどう日を制定
えんどう豆栽培の盛んな和歌山県では、産地の応援の意味を超えて、“うすいえんどうの日”と、“さやえんどうの日”を制定しました。
うすいえんどうの日は、収穫のピークを迎えるのが5月の初旬であることと、えんどうの緑をかけて、みどりの日と同じ5月4日に決定。
さやえんどう日は、ハウス栽培が最盛期を迎えるのが3月であること、「さ・や」のごろ合わせで3月8日に制定しました。
それぞれ、JA和歌山県農が日本記念日協会に申請し、平成17年12月、正式に認定されています。
参考:
Cook Nippon!
ぐるわか
JA和歌山県農
近畿農政局
紀州うすいの商標登録情報
登録日 | 平成18年(2006)11月24日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月1日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月1日 |
存続期間満了日 | 平成38年(2026)11月24日 |
商標 | 紀州うすい |
称呼 | キシューウスイ |
権利者 | 和歌山県農業協同組合連合会 |
区分数 | 1 |
第31分類 | 和歌山県産のうすいえんどう【類似群コード】32D01 |