商標を登録するためには、似たような商標が先に登録されていないことが最大の条件です。
事前にわかれば登録作業に無駄な費用や労力がかかなくてすみます。
似た商標が先に登録されていないか見分けるための重要な手がかりになるのが類似群コードです。
類似群コードとは
商標の登録は自分の商品やサービスのオリジナル性をアピールし、他者から真似されるのを防ぐ目的があります。
当然ながら、同じような内容の商品に対して、第三者が似た商標を登録することはできません。
したがって、これから登録しようとしている分類の中に、似通っている商標が先に登録されているかいないか、予め調査することになります。
調査の際、同一分類だけを見て似た商標がなければよい、というわけにはいきません。
現在の商標の区分は、材料と用途によって切り分けられていますが、重複するケースも少なからずあります。
たとえば、同じ「でん粉のり」を使った商品でも、家庭用と事務用、工業用ではそれぞれ分類が違います。
すると、素材は同じでん粉のりで、商標も似ているけれど、家庭用と事務用、工業用でメーカーが違うと混乱を招きます。
同一分類かどうかに関わらず、用途や使われ方が同じような商品をくくるため、類似群コードが設定されているのです。
世界共通の番号を使用
類似群コードは、数字とアルファベットを組み合わせた5桁の共通番号です。
類似性があると判断された商品や役務には同じコードがつけられますので、これから登録しようとしている商標に類似したものがないか、45分類のすべてから簡単に検索できるわけです。
類似群は、世界84カ国が加盟する国際分類に従い、特許庁が「類似商品・役務審査基準」を定めています。
類似商品・役務審査基準は常に改定が繰り返されています。
2016(平成28)年4月1日現在の最新の基準は「国際分類第10-2016版対応」で、2016年1月1日に適用されたものです。
類似群コードの利用法
類似群コードは、主に以下の2つの利用法があります。
- 先願・既登録調査:先に似たような商標が登録されていないかを調べる。
- 権利範囲の確認:これから登録しようとしている商標がどの分類に属するのかを調べる。
検索は、ネット上で簡単にできます。
特許庁が提供する特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で、商標の読みと一緒に5桁のコードを入力すると、複数の区分にまたがって、似た商標が登録されていないか確かめることができます。
商標を登録する際、先に似た商標がすでに登録されていると、出願が認められません。
商標は登録するときだけではなく、出願するときにも別途費用がかかります。
登録が認められなくても出願費用は戻ってきません。
事前に似たような商標がないか、権利範囲がどこまで及ぶのか、類似群コードを手掛かりに調査した上で、登録手続きを行うことが必要です。