数あるカップ焼きそばの中でもネーミングの奇抜さと言えば日清食品ホールディングスの登録商標である日清焼そばU.F.O.が筆頭と言えるかもしれません。
いったいなぜこの商標になったのでしょうか。
奇抜なネーミングの裏には知られざるストーリーがあったのです。
U.F.O.の由来はUFOではない
日清焼きそばU.F.O.が誕生したのは1976年です。
業界で初のカップ型焼きそば風即席めんが発売されたのは1974年。
その後相次いで各社が焼きそば商品を売り出し、日清食品が焼きそばU.F.O.を発売したのは上記した通り1976年のこと。
比較的に後発ながら、当時人気絶頂だった2人組アイドルグループ・ピンクレディーをCMに起用。
本人たちのヒット曲「UFO」をアレンジしたパロディソングなどのプロモーショの効果もあって、一気に人気商品となりました。
span class=”mark-lime”>まさに「ネーミングの勝利」と言えます。
ところで、日清焼きそばU.F.O.のU.F.O.とはなんでしょうか。
CMの影響もあっていわゆる未確認飛行物体UFOのことを誰もが思い浮かべるようです。
実は、日清食品では、U.F.O.とUFO(Unidentified Flying Object)は直接関係ないと言っています。
正確に言うと、UFOをもじっているのは確かですが、ある言葉の略語だったのです。
ネーミングの由来は3つの言葉
U.F.O.はなぜUFOではないのか、なぜいちいちアルファベットの後にドットがつくのか、不思議に思った人もいるはずです。
そこにはちゃんと意味があります。
実は、この商標は3つの言葉の頭文字からとった略語です。
3つの言葉とは次の通り。
- 味が「うまい」の「U」
- 麺が「太い」の「F」
- 器のサイズが「大きい」の「O」
しっかりとした太麺が大きな器にどっさり入って、食べれば「うまい!」とうなる、そんな思いを込めたネーミングだったのです。
U.F.O.はやっぱりUFO
U.F.O.とUFOは直接関係ないということですが、UFOという魅力的な素材が商品のアピールに効果的だったことは間違いないでしょう。
1970年代は日本にUFOブームが訪れ、テレビ番組などでさかんに特番が組まれていました。
日清食品ではそんな世間の空気を捉え、UFOを宣伝の素材として存分に活用したのです。
初期のピンクレディーから始まって、1990年代になると、遠い星からやってきた正義の味方の活躍を描くという設定のヤキソバンシリーズが人気になりました。
2016年現在のエクストリーム編でも、スペースアクションをモチーフにしたユニークなCMが作られています。
食べ物の名称と言えば、おいしそうなイメージを訴求するものが多いものです。
あえてサブカルチャー用語を商標に採用したことで、プロモーション展開の幅が広がったと言えるでしょう。
カップ焼きそばとしては国内トップクラスの定番商品になった背景にはとてもユニークな商標の効果があったのです。
ちなみに、厳密に言うと、商標として登録しているのはドットが入らない「UFO」です。
商品の上蓋にも小さい文字でUnidentified Flying Objectと書かれています。
日清食品ではあくまで無関係と言っていますが、信じるか信じないかそれはあなた次第です。
参考:日清食品グループ