静岡県の地域ブランド商標である静岡茶は、平成19年(2007)7月13日、静岡県経済農業協同組合連合会、ならびに、静岡県茶商工業協同組合によって地域団体商標に登録されました。
言うまでもありませんが、静岡県は日本一の茶どころです。
どれだけ圧倒しているか、改めて見てみると、お茶の栽培面積、生産量とも全国の40%を占め、2位以下を大きく引き離してのダントツ一位。
そればかりではなく、荒茶産出量、茶葉算出量も当然一位、海外への輸出はもちろん海外からの輸入量も静岡県が堂々の一位です。
なぜ静岡はこれだけの一大生産地になったのでしょうか。
静岡県の地域ブランド商標、静岡茶とは
一口に静岡のお茶といっても、県の広域でお茶が生産されており、山間部、平野部など多様な環境の中でそれぞれ独自の茶栽培がおこなわれており、約20の産地があります。
主なものだけ挙げても8つ。
1.北西地域(天竜茶など)
静岡県北西部、天竜川両岸の山間傾斜地に広がる茶畑で産出される天竜茶は、高級茶として知られます。
機械化が進んだ現在でも手摘みにこだわって栽培する茶園も多いそうです。
静岡県内の茶品評会でも、平成9年、10年 、13年度に農林水産大臣賞受賞者を輩出、平成17年度に最優秀産地賞を受賞。さらに、平成15年には、全国茶品評会でも産地賞を受賞しています。
2.中遠地域(掛川茶など)
掛川は海に面した地域で、年平均気温約15℃~16℃、温暖な気候と適度な雨量が茶葉の生産に好適で、深蒸し茶の名産地です。
市町村別では、荒茶の生産量は全国1位を誇ります。
ちなみに、荒茶とは摘んだままの茶葉を揉みこんで乾燥させた状態のものです。
産地から出荷されるのは荒茶の状態です。
荒茶を買い取った茶問屋が細かく砕いて、他の茶葉とブレンドし、一般に出回るお茶になります。
3.牧之原地域
静岡県中部に広がる広大な産地です。
明治初年に大規模な開拓が行われたことにより生産量が拡大。
静岡県の茶産地としての地位が確立される発祥地となりました。
国内最大級の産地で、国立、県立の茶業試験場もあり、日本におけるお茶生産の中心地と言えます。
4.川根地域(川根茶)
静岡県中部の大井川上流上地域、山間部の斜面に広がる生産地です。
古くから茶の名産地として知られており、全国の茶品評会で受賞の常連として知られます。
5.志太地域(岡部茶など)
岡部茶は朝比奈玉露の名産地として有名です。
朝比奈玉露の発祥は明治30年、朝比奈川の清流と山間地の気候が玉露の生産に適していると言われています。
6.本山地域(本山茶)
本山と書いて「ほんやま」と読みます。
静岡県中部を流れる安倍川流域の産地です。
聖一国師(しょういちこくし)が茶の種を植えたのがこの地域と呼ばれ、静岡県におけるお茶の発祥地でもあります。
7.清水地域
清水はその名の通り、水のきれいな街。
温暖な気候と肥沃な土壌によって、良質の茶が大量に生産されています。
日本平や興津川流域など平野部の広い地域で栽培され、両河内茶、庵原茶、小島茶、有度のお茶などにわかれます。
8.富士・沼津地域(富士茶など)
有名なやぶきた茶の発祥地です。
明治の中頃、この地域の藪の北にあった茶園から新種の茶樹が発見されたことから、「やぶきた」の名前が生まれました。
静岡県の地域ブランド商標、静岡茶の歴史
静岡にお茶がもたらされたのは鎌倉時代のことです。
駿河国(現在の静岡県)出身の僧、聖一国師(しょういちこくし、1201~1280年)、大陸で仏法を修め帰還したさい、仏書千余巻とともに茶の種を持ち帰り、郷里の駿河足窪(現在の静岡市足久保)の地に植えたのが茶栽培の始まりと言われています。
明治初期の静岡において、牧之原の大規模な開拓が行われたことから、茶産業が大きく発展しました。
さらに、開国によって海外貿易に活路が開かれ、静岡のお茶は日本の重要な輸出産品として世界に広がっていったのです。
参考:
静岡県
静岡県茶商工業協同組合
静岡県茶業会議所
静岡茶の商標登録情報
登録日 | 平成19年(2007)7月13日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月3日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月3日 |
存続期間満了日 | 平成29年(2017)7月13日 |
商標 | 静岡茶 |
称呼 | シズオカチャ |
権利者 | 静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県茶商工業協同組合 |
区分数 | 1 |
第30分類 | 静岡県産の緑茶【類似群コード】29A01 |