和歌山県の地域ブランド商標であるすさみケンケン鰹は、平成18年(2006)12月15日、和歌山南漁業協同組合によって地域団体商標に登録されました。
「すさみケンケン鰹」は、和歌山県すさみ町の漁師が「ケンケン漁」によって獲った鰹のことです。
鰹と言えば魚特有の臭いが気になる人もいるでしょう。
しかし、すさみケンケン鰹はその臭いが少ないそうです。
おなじ鰹なのに、なぜすさみケンケン鰹は臭いがないのか、そしてケンケン漁というちょっと変わった名前はいったいどこからきているのでしょうか。
和歌山県のすさみケンケン鰹とは
和歌山県すさみ町でケンケン漁法により水揚げされた鰹のみがすさみケンケン鰹の商標でを名乗ることができます。
「ケンケン漁」とは、一隻の船に1~2人が乗り込んで行なうひき縄一本釣漁法のことです。
疑似のついた縄を1つの竿に3本ほどつけて、同時に数本の竿をたらし、船を走らせながら縄を引くという漁法で、一般的には「トローリング」などとも呼ばれます。
網ですくうのに比べて魚体を傷つけることが少なく、また、通常の一本釣りよりも効率的な漁法と言えます。
釣り上げた鰹は、すぐさま放血され、氷温に保たれたまま、時間をかけずに沖合から市場に運ばれます。
このため、臭みが少なく、脂が乗っているにもかかわらず、味はさっぱりとしていると言われます。
すさみ町ではタタキよりも刺身でいただくのが一般的に好まれている食べ方です。
和歌山県のすさみケンケン漁の由来
ケンケン漁の由来はハワイから?
ひき縄一本釣漁法は和歌山だけで行われているわけではなく、全国的に行われている漁法です。
ではなぜ、和歌山ではケンケン漁というのでしょうか。
正確には分かっていませんが、いくつかの説があります。
1.ハワイ渡来説
ハワイのカナカ語で、疑似餌として使う「ルアーをケンケンと呼んでいた」というところから、和歌山でもケンケン漁と呼ばれるようになったとする説です。
もともと、ハワイにケンケン漁を伝えたのは、日本から移民した農民たちでした。
このときはケンケン漁という名称はありませんでしたが、日本人がもたらした漁法が現地で改良され、日本に逆輸入された際に、ケンケン漁と呼ばれるようになったという説です。
2.ぴょんぴょん語源説
もう一つの有力な説が、水揚げ時にカツオが水面を勢いよく飛び跳ねるさまを言い現したとするものです。
子供の遊びで「ケンケンパッ」というのがありますが、あの片足でぴょんぴょん飛び跳ねる様子に似ているからケンケンと呼んだというわけです。
すさみケンケン鰹のこぼればなし
すさみ町は、町の魚が鰹であり、ケンケン漁のための船が130隻もあります。
漁の水揚高の約70%をカツオが占めているというほど盛んです。
ひき縄療法は全国的に行われていますがケンケン漁と呼ぶのはすさみ町だけです。
さらに、鰹島という名の島があり、全長5mのかつおのぼりが漁港にたなびいています。
まさに、鰹づくしの街と言えるでしょう。
参考:
すさみ町観光協会
全国漁業協同組合連合会
和歌山県西牟婁振興局農林水産振興部農業水産振興課
和歌山県農林水産部水産局水産振興課
和歌山東漁業協同組合
和歌山県のすさみケンケン鰹の商標登録の状況
登録日 | 平成18年(2006)12月15日 |
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出願日 | 平成18年(2006)4月1日 |
先願権発生日 | 平成18年(2006)4月1日 |
存続期間満了日 | 平成38年(2026)12月15日 |
商標 | すさみケンケン鰹 |
称呼 | スサミケンケンカツオ,スサミカツオ |
権利者 | 和歌山南漁業協同組合 |
区分数 | 1 |
第29分類 | 和歌山県すさみ町においてケンケン漁法により水揚げされた鰹(生きているものを除く)【類似群コード】32C01 |