京都府の地域ブランド 「京人形」

京都府の地域ブランド京人形(きょうにんぎょう)は、平成18年(2006)11月17日、京人形商工業協同組合によって地域団体商標に登録されました。

日本では季節や折々の行事に合わせて、ひな人形や五月人形などの人形を飾る風習があります。

その中でも、古くから日本人形の発展の中心にあったのは京都府です。

京都府で制作される日本人形は「京人形」と呼ばれ、長く人々に愛されています。

京人形にはどんなルーツがあるのでしょう。

目次

京都府の京人形とは

京都府の職人が伝統的な手法で作り上げた「衣裳着人形(いしょうぎにんぎょう)」を指します。

「日本人形」には大きく、「木目込み人形(きめこみにんぎょう)」と「衣裳着人形(いしょうぎにんぎょう)」に分かれます。

「木目込み人形」は胴体が木製で衣裳を貼り付けて作ります。

これに対して「衣裳着人形」は本物のように仕立てた衣装を胴体に着せたものです。

「木目込み人形」は本体と衣裳、その他装飾品が一体になっており、飾ったりしまったりが楽です。

一方の「衣裳着人形」は、豪華な衣裳と、顔だけを専門とする職人が作る豊かな表情が特徴です。

いずれも京都発祥ですが、現在は「衣裳着人形」を京人形として定義しています。

「衣裳着人形」は全国的に製作されますが、中でも「京人形」は衣裳が豪華で、日本人形の中でも高級品とされています。

京都府の京人形の由来

もともと日本人形は、平安時代には「ひとがた(人形)」「かたしろ(形式)」などと呼ばれ、災厄や疫病を払うための身代わりとして川に流すものだったといいます。

呪術的な意味合いが強かったようですが、時代の移り変わりとともに厄払いとしての意味合いが徐々に薄れ、貴族の子女の遊具として浸透していくようになります。

このような、宮廷御用達の愛玩を制作していたのが京都の人形職人です。

平安京は貴族文化のお膝元です。そこで人形を作り続けてきた京都の職人の腕前は高いもので、時代が過ぎ、国の中心が江戸に移っても、人形の文化は京都を中心に発展していき、今に伝わる「京人形」が守られてきたのです。

京都府の京人形5大カテゴリー

一口に京人形といっても大きく五つの種類があります。

【ひな人形】

桃の節句でお馴染みのもっともポピュラーな日本人形です。

京人形の中でも、やはり、ひな人形が生産量のトップです。

ひな人形の語源は「ひひな」「ひいな」ですが、その意味はよくわかっていません。

もともと人形は人間の形見だったことから、「大きなものを小さくする」という意味という説、あるいは、漢字で「雛人形」と書くことから、「鳥のひなの鳴き声を表す」という説など諸説があります。

【五月人形】

単語の節句でお馴染みの、武者の人形です。

端午の日に、兜や鎧を飾る武家の風習が元になり、子供をかたどった人形に、武者姿をさせる姿が一般的になりました。

本来、端午の節句には野外に兜飾りや模造の槍、薙刀などを飾ることが一般的だったのですが、時が流れるにつれ、鯉のぼりなどの一部を除いて座敷で飾るものが中心になりました。

なお、京人形においては、五月人形に着せる兜や鎧は、本物の京甲冑を小型化したものをつけているそうです。

【御所人形】

皇室や公卿に贈り物をした大名への返礼品として使われたことからその名がついた人形です。

木の型の上に炭酸カルシウムを主成分した胡粉という白い絵の具を分厚く塗り重ねて成型した人形です。

丸みを帯びた三頭身の幼児の裸体が多く、赤ちゃんのような真っ白な肌が特徴です。

【市松人形】

江戸時代の女形の人気歌舞伎役者「佐野川市松」の顔に似せられたことからこの名がついたといわれています。

佐野川市松は非常に端正な顔立ちをしていたため、浮世絵の題材にも多く用いられました。

ちなみに、市松模様も佐野川市松が舞台で着た衣裳の模様に由来ます。

人形はもともと、子供の災厄を代わりに背負ってくれる「身代わり人形」だったので、人の顔に似せるものでした。

呪術的な意味が薄れていくにしたがい、実際の人間に似せて顔を書く技術を使って、人気役者の顔に似せたものが作られるようになったようです。

また、市松人形は手足が自由に稼働でき、立たせたり座らせたりとポーズを変えたり、衣裳を着せ替えたりできるため、観賞用としてだけでなく、愛玩用としても人気があります。

【風俗人形】

ひな人形と同じく、観賞用の衣裳着人形で時代風俗に題材を得たものです。

特に、能、狂言、演劇、舞踊などが主だったテーマになります。

多様な制作者が、それぞれの創造性と技量を用いて作るため、最もバリエーションに富んだ京人形です。

参考:
京人形商工業協同組合
京都伝統工芸協議会
日本人形協会

京都府の京人形の商標登録の状況

登録日 平成18年(2006)11月17日
出願日 平成18年(2006)4月1日
先願権発生日 平成18年(2006)4月1日
存続期間満了日 平成38年(2026)11月17日
商標 京人形
称呼 キョーニンギョー
権利者 京人形商工業協同組合
区分数
第28分類 京都産の人形【類似群コード】24A01
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