神奈川県の地域ブランド 「松輪サバ」

神奈川県の地域ブランド松輪サバ(まつわさば)は平成18年11月24日、神奈川県のみうら漁業協同組合によって地域団体商標に登録されました。

東京湾側に面した松輪漁港で水揚げされるマサバは最高級のサバとして珍重されています。

同じ東京湾で獲れた魚なのにどうして神奈川県の松輪サバだけが最高級と言われるのでしょうか。

目次

神奈川県の地域ブランド松輪サバとは

サバの最高級品

松輪サバとは、神奈川県三浦市「松輪漁港」で水揚げされた「一本釣の真鯖(マサバ)」のことを言います。

外洋に比べて波が穏やかでエサとなるプランクトン豊富な東京湾のサバは、丸々と太りたっぷり脂がのっています。

サバ漁は5月ごろから始まり晩秋まで行われますが、とくに秋にとれるサバはもっとも脂がのり、脂で皮が黄色に輝くほどで、その見た目や希少性から俗に「黄金サバ」とも呼ばれて珍重されるサバの最高級品です。

魚体に直接手を振れない伝統の漁法

東京湾に面しているのは松輪漁港だけではありません。

東京や千葉で獲っても同じサバではないのかというと、それが違うのです。

マサバはデリケートなので手掴みしただけで黒く変色してしまい、美しい黄金色が失われます。

このため、一本釣りのみで漁が行われ、釣り上げた魚の針を外すときも魚体には手を触れない独特の技術を使い、そのまま魚倉へと運ばれます。

魚倉でサバを冷やす際も、魚体表面を傷めないよう、砕氷ではなく大きめの角氷を使う念の入れようです。

そうして生きたまま港まで運ばれ、荷揚げするまで人の手が直接触れることは一切ありません。

サバの味はもちろん、見た目にも美しい状態を損なわないよう、徹底して管理することにより松輪サバの品質は保たれているのです。

神奈川県の地域ブランド松輪サバの由来

松輪に近い海沿いの間口洞穴に縄文時代の遺跡が発見され、その中にサバの骨が混じっていました。

したがって、縄文時代からサバ漁が行われていたようです。

とくに松輪サバの名が知られるようになったのは江戸時代のころからです。

当時からいまと変わらず、一本釣り漁でサバ漁が行われていたということです。

現在は、みうら漁業協同組合に所属する150人ほどの漁師がサバ漁を行っています。

松輪では、漁協を通じて市場に直接出荷し、漁協が価格をコントロールしています。

価格競争による値崩れを防ぐとともに、漁法や魚体の取り扱い方法を管理することで一定の品質を保ち、ブランドを守るためです。

また、漁師の高齢化が進む中で、松輪地区では10~20代の若い世代が多く就業しているのも特徴です。

魚の品質とブランドを守ることで市場価格が高値で安定するため、商売としても有望。

若い世代が後を継ぐようになるため、伝統の漁が継承されていくという好循環が松輪では生まれているわけです。

参考:
全国漁業協同組合連合会
JF全漁連

神奈川県の松輪サバの商標登録情報

登録日 平成18年(2006)11月24日
出願日 平成18年(2006)4月2日
先願権発生日 平成18年(2006)4月2日
存続期間満了日 平成38年(2026)11月24日
商標 松輪サバ(標準文字商標)
称呼 マツワサバ
権利者 みうら漁業協同組合
区分数
第29分類 神奈川県三浦市松輪漁港で水揚げされた一本釣の鯖【類似群コード】32C01
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